【スズキ GSX-8T 試乗】ただの“昔風”バイクじゃない! 乗った瞬間にわかる「実力派ネイキッド」…青木タカオ

スズキ GSX-8T
スズキ GSX-8T全 46 枚

◆ネオクラの枠を超えた完成度

回さずとも湧き出る力強さ! ワインディングではアクセルひとつで向きを変え、力強く立ち上がる!! ストリートの扱いやすさとスポーツ性を高次元で両立したスポーツネイキッド、スズキ『GSX-8T』だ。

【詳細画像】ただの“昔風”バイクじゃないスズキ『GSX-8T』

昨今注目を集める“ネオクラシック”カテゴリーに登場した話題のニューモデルだが、単なる“昔風”のバイクではない。走り出した瞬間に、それを確認した。クラシックなムードをまといながらも、感じられるのは懐かしさではなく、ネイキッドスポーツとしての高い完成度、それが何よりも際立っている。

スズキ GSX-8Tスズキ GSX-8T

デザインは、1968年の「スズキT500」に着想を得たものとされるが、全体としてはあくまで現代的。ヘッドライトはフラットボトム形状のモノラウンドLEDを採用し、クラシカルな意匠と現代的な配光性能を両立した。

メーターには5インチカラーTFT液晶を採用。速度、回転数はもちろん、ギヤ段数や燃料など豊富な情報を視認性高く表示する。

◆回さずとも味わえる分厚いトルク

スズキ GSX-8Tスズキ GSX-8T

搭載される776ccの並列2気筒エンジンは270度クランクを採用し、低回転域から厚みのあるトルクを発生。日常域での扱いやすさと、パフォーマンスを巧みに両立させている。

力強さは十分にありながら過敏すぎず、必要なだけのパワーを右手ひとつで引き出せる感覚が、このパワーユニットの魅力だ。

スズキ GSX-8Tスズキ GSX-8T

わずか2000rpm付近からでも滑らかに加速し、スロットル操作に対して遅れなく応える。角の取れた心地よい鼓動感とともに速度を乗せていき、高回転まで引っ張らずとも、ストリートでは不足を感じることはない。頻繁なシフト操作を必要とせず、余裕をもってスムーズに流せるのがいい。

一方でアクセルを大きく開ければ、その表情は一変する。回転の上昇とともに加速は一気に鋭さを増し、ひねった分だけダイレクトに前へ出る。

◆コーナーで光るシャシーと足まわり

スズキ GSX-8Tスズキ GSX-8T

コーナーが続く道では、その実力の高さを存分に実感できた。前後サスペンションはKYBで統一。フロントは41mm倒立フォーク、リアはリンク式モノショックを組み合わせ、剛性感と路面追従性を高いレベルで両立し、確実にトラクションを引き出す。

前後ともダンピングがしっかりと効いて、ペースを上げた際の安定感が高い。荒れた路面ではややコツコツとした入力が伝わるものの、前後バランスに優れ、コントロール性を重視したセッティングにより、ブレーキングから車体の寝かし込み、そして立ち上がりへと至る一連の動きがじつにスムーズ。ライダーに余計な緊張を強いることなく、自然な流れでコーナーをクリアしていける。

スズキ GSX-8Tスズキ GSX-8T

フロントブレーキはΦ310mmダブルディスクにラジアルマウント4ピストンキャリパーを組み合わせ、コントロール性と制動力を高い次元で獲得している。

リアにはΦ240mmシングルディスクを採用し、車体姿勢を安定させながら繊細な速度調整を担う。コーナー出口ではトルクを活かした力強い加速が味わえ、スロットル操作に応じて自然に向きを変えながら、狙ったラインを外すことなく加速していく。

◆扱いやすさと先進性が支える総合力

スズキ GSX-8Tスズキ GSX-8T

クイックシフターはアップ/ダウン双方向に対応。低速域ではわずかなショックを伴うこともあるが、変速は確実で、スポーティに走る場面では大きな武器となるのはいうまでもない。オン/オフの切り替えも可能で、シーンに応じて使い分けるのもいいだろう。

電子制御の完成度も高い。ドライブモードセレクターやトラクションコントロール、電子制御スロットルに加え、ローRPMアシストやイージースタートといった装備も充実。各制御の介入は自然で、ライダーの操作を妨げることなく安心感を底上げしてくれる。コンディションの悪い路面でも挙動は穏やかで、気負うことなく走らせることができた。

スズキ GSX-8Tスズキ GSX-8T

軽く前傾したライディングポジションは自然で、数値以上にコンパクトに感じられる車体と相まって取り回しのしやすさも印象的だ。タック&ロールデザインのシートは絞り込まれた形状で、高密度フォームによって快適性に優れる。写真は身長175cmの筆者がまたがった場合で、足つき性に不安はない。

◆新時代のスタンダードネイキッド

穏やかに流すもよし、ペースを上げてアグレッシブに走るのもよし。そのどちらにも応える懐の深さを持ち、スズキらしく全体をそつなくまとめながらも、高いポテンシャルをしっかりと感じさせる仕上がりだ。

1台で日常からワインディングまで楽しみ尽くせる、新時代のスタンダードネイキッドといえる。

スズキ GSX-8Tスズキ GSX-8T

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

レスポンス公式TikTok

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデス・マイバッハ、ブランド初のミニバン『VLS』予告…比類なき快適性と広さ実現
  2. ガラスコーティング被膜が1年以上持続、オートバックスが「AQ. 硬化型ボディコーティング」発売
  3. MG、世界初の半固体電池量産化…年内にEVに搭載へ
  4. トヨタ、2000GTなど歴代スポーツカー6台を展示へ…オートモビルカウンシル2026
  5. 「ついに国内販売か!」高速も走れる155ccの新型ネオレトロ、ヤマハ『XSR155』に「価格と維持費でアリかも」とSNSも注目!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る