【プジョー 208 GTハイブリッド 新型試乗】高速域&ワインディングを走れば不満も消し飛ぶ…中村孝仁

プジョー 208 GTハイブリッド
プジョー 208 GTハイブリッド全 36 枚

驚いたことに、プジョーラインナップでPHEVとBEV、それにICE(内燃機関)のみを搭載するモデルを除けば、MHEV(マイルドハイブリッド)仕様のモデルはそのサイズに関係なく、搭載エンジンはすべて1.2リットル3気筒ピュアテックのみである。

【詳細画像】プジョー 208 GTハイブリッド

エンジンラインナップはそんなわけだから、『リフター』用のディーゼルと、『308 PHEV』に搭載される1.6リットル4気筒を除いて、上は『5008』に搭載されるものから、下は今回試乗した『208 GTハイブリッド』に至るまで、チューニングは別として、すべて1.2リットル3気筒である。ガソリン内燃機関の開発が、ほぼ停止されたといっても過言ではないほど、見事に整理されてしまった。

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別にサボっていたわけでもないのだが、過去の原稿を調べてみたら、208を最後に試乗したのは2020年のことで、実に6年もの間このクルマに試乗していなかった。2020年といえば、マイナーチェンジ前の現行世代が登場した翌年だ。まぁ体は一つしかないわけで、毎年出るクルマの数を考えれば、すべてを試乗するのは不可能。ましてやマイナーチェンジまでは追いきれない。そんなわけで6年ぶりの208となったわけだが、今回は48Vのマイルドハイブリッド仕様に衣替えである。

シャシーには変更を受けていないようで、CMPと名付けられたプラットフォームが継続されている。ただトランスミッションは、従来のアイシンベースの8ATから、電動モーターを組み込んだ6速DCTへと変化した。

◆6年前と大きな違いはない…と思っていたら

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メカニカルトレーンの大きな変更点としては、上記の通りである。だから、6年前に試乗した8AT装備のモデルと、走りに関してはそう大きな違いはない…と思っていた。まあこれも以前に書いた予断というか思い込みであるのだが、いざ走り出してみると何やら随分と騒々しい。というのも、トランスミッションにモーターが装備されて、トランスミッションもモーターでコントロールされているらしく、シフトの度にヒューとかピーとか高周波のノイズがやたらと耳につくのである。

少し経てば慣れるかと思ったけれど、残念ながら最後まで慣れることはなかった。対策としては、ラジオやらオーディオやらを起動させて、そちらの音源を逃がすこと。音楽を聴いていると、この高周波ノイズはほぼ消える。というか無理やり消しているのだが、少なくとも気にはならなくなる。

もう一つ気になったのは、低速域でクラッチの断続をはじめ、これもトランスミッションに起因する印象が強いのだけど、とにかく繋ぎが下手なことである。ことあるごとにぎくしゃく感を伴う。だから、低速域の使用が多い都市内で、信号が多いところを走るような場合は、まるで自分の運転が下手になったように感じてしまった。この種のぎくしゃく感は、精々30km/h以下付近で起こる現象だから、いったん郊外に出てスピード域が高まると、完全に消えてくれる。

◆高速域&ワインディングを走れば不満も消し飛ぶ

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そうなると、昔味わったプジョー208の良さがどんどんと出てくる。まさに面目躍如だ。あまり褒められた行為ではないが、高いスピード域で流れる国道(この場合神奈川県に入った国道246号線)では、まさにみずすましのように右に左に進路を変えてすいすいと走ってくれる。この領域での気持ちよさは抜群で、不満な部分があったにしても、208の良さが、そうした不満を消してくれる原動力になる。

さらにワインディングロードを走れば、その良さはさらに増幅されて、ミリ単位の正確さと表現してもよいような、正確無比なステアフィールや、粘り腰のコーナリングの安定感などは、まさにICE時代の208と何ら変わらない。

それに、高速域の安定感とフラットライド感も、Bセグメントのモデルとは思えない快適さである。そんな痛快なドライビングを楽しんで、再び雑踏に乗り入れると、また、冒頭話したような悪癖が顔をのぞかせるから、困ったものである。

◆昔を知る身としては…

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ハイブリッドモデルとなって、走行モードの切り替えがエコ、ノーマル、スポーツと付いた。スポーツの場合ほぼ全域でエンジンが主体となった走りだから、繋ぎの下手さがあまり顔を出さない。当然ながら常にエンジンがかかった状態なので、アクセルレスポンスにも優れている。一方でノーマルとエコについては、走りのパフォーマンスはほとんど変わらない印象であった。

アクセルオフや長い下りなどでは、エンジンがオフになってコースティングするし、平たん路でも、アクセルをほぼ使わない領域では、エンジンはストップする。そのストップの領域がより広くとられているのが、エコのようである。街中ではこのエコが推奨される(個人的に)が、例の高周波ノイズが出まくるので、音楽を伴うのがこれもお勧めである。

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まさに電動化の過程のクルマという印象を強く持ったが、それによって燃費は特段良くなった印象は受けなかった。高速ではなく、下道が多かったせいもあるかもしれないが、平均燃費は15.8km/リットル。これは期待値を下回った。

それにしても、車両本体価格は389万円であり、ドラレコとETCのオプションを追加した試乗車両の価格は、404万2980円なり。昔を知る身としてはBセグメントの値段ではない。つくづく車が高くなったと感じる。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)
AJAJ会員・自動車技術会会員・東京都医師会「高齢社会における運転技能および運転環境検討委員会」委員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来48年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。最近はテレビ東京の「開運なんでも鑑定団」という番組で自動車関係出品の鑑定士としても活躍中。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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