【日産 エルグランド 新型】「威厳を取り戻したかった」デザイナーが明かす“このデザイン”になったワケ

日産 エルグランド 新型
日産 エルグランド 新型全 34 枚

日産の追浜工場に併設されているグランドライブにて、今夏発売が予定されている新型『エルグランド』の事前取材会が行われた。日産自動車 グローバルデザイン本部の入江慎一郎氏は、「(高級ミニバンの)市場を開拓したのは初代エルグランド。久しぶりのモデルチェンジなので、もう一度その威厳を取り戻したかった」と話す。

【画像】日産 エルグランド 新型

◆「高級ミニバンの元祖」としての威厳を取り戻す

日産 エルグランド 初代日産 エルグランド 初代

1997年に初代が誕生したエルグランドは、広い室内空間と走行性能、ラグジュアリー性を融合させた「高級ミニバンの元祖」と呼ばれている。初代エルグランドのヒットを受け、トヨタが『アルファード』を投入し、後にホンダが『エリシオン』で追従するなど、高級ミニバン市場は一時大きな盛り上がりを見せた。

エルグランドは2010年に3代目へとモデルチェンジしたものの、その後16年にわたりモデルチェンジが行われず、結果的にアルファード/ヴェルファイアの独走を許してしまった。

生産終了のウワサも絶えなかったエルグランドだが、2025年10月の「ジャパンモビリティショー2025」で4代目となる新型が先行公開され、2026年夏に発売されることがアナウンスされた。

日産 エルグランド 新型日産 エルグランド 新型

新型のデザインコンセプトは、「ザ・プライベート・マグレブ」。非日常の旅に出かける高揚感や期待感を抱かせるデザインにしたという。

「マグレブ」という言葉は日本人にとって馴染みのないものだが、直訳すると「リニアモーターカー」。入江氏によると、マグレブという単語には「静かだけど速い」という意味が込められているという。

「今回、全幅を(現行と比べ)45mm拡大した。幅を広くすることで、威風堂々としたスタンスの良さを表現した。さらに、パワートレインは『e-POWER』と『e-4ORCE』の一本なので、その高いパフォーマンスを予感させるようにデザインに反映した(入江氏)」

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◆マニアックに作り込んだインテリジェンス・デザイン

歴代エルグランドは、室内の広さや高級感だけでなく、ライバルにはない運転の楽しさも評価されてきた。

そこで新型は、大切な人たちとの遠出を楽しめる「プレミアムグランドツーリングミニバン」をコンセプトに、最新の第3世代e-POWER、四輪制御技術「e-4ORCE」、電子制御サスペンションである「インテリジェントダイナミックサスペンション」の統合制御によって、走りの楽しさと極上の乗り心地を目指したハイテク・ミニバンに仕上がっている。

「エルグランドに限らず、日産は『インテリジェンス』というのを大切にしている。それは見た目だけじゃなく走りの性能までもスマートさを大切にしていて、新型エルグランドではモダンで『テック感』のある先進的なプレミアム感を表現したかった(入江氏)」

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エルグランドのエクステリアは、日本の伝統工芸である「組子」をモチーフとしたグリルなど、緻密なディテールが特徴だ。四角形のフロントのドットパターンも「1つとして同じ大きさがない」という。

「ドットパターンのグラデーションで広がりやスタンスの良さを表現している。そういった緻密な計算の中ででき上がってくるデザインの要素を、テールライトにもあしらっている(入江氏)」

ドットのグラデーションが広がる新型エルグランドのテールライトには、近づいてみないとわからないが、実はドットパターン1つ1つにさらに細かいドット模様が描かれている。入江氏は「とてもマニアックな話」と言いながら開発時のエピソードを語ってくれた。

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「1個1個のパターンをキラキラさせるために、ドット模様がレンズの中に入っている。普通はドットパターンを一面に打って菱形をくり抜いて作るのだが、そうするとドットが一部欠けたりする。それを避けるために、1個1個大きさの違う菱形に合わせて、ドットの位置も全部指定して作っている(入江氏)」

◆触れることで分かる良さがある

言われなければ絶対に気付かないようなところに、惜しげもなく手間もコストもかかっている新型エルグランド。その目的はなんなのだろうか。

「意識して感じられない部分、いわゆる『無意識の意識』というのが人間にはある。その無意識の意識で感じる『良さ』や『作り込まれている感』が大事。さきほど述べたテック感みたいなのは、緻密さを表現しないと出てこない。なんとなく感じる部分、パッと見た時の佇まいや雰囲気というのをすごく大切にした(入江氏)」

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最後に入江氏に、新型エルグランドで見てもらいたいところを聞くと次のように返ってきた。

「お待たせして申し訳ないという気持ちもあるが、待たせたからには日産のフラッグシップとしての威厳を取り戻したい一心で作り上げた。触れることで分かる良さが多々あるので、我々が細部までこだわり抜いたしつらえやデザインの要素、細かい作り込みを肌で実感してもらいたい。絶対ワクワクしていただける(入江氏)」

高級ミニバンの元祖としての威厳を、日産らしさの中で表現した新型エルグランド。神は細部に宿ると言えば月並みだが、細部への緻密なこだわりが生むオーラをまとい日本の道を走る日はもうすぐだ。

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《橋本 隆志》

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