ワールドカップ日本対戦国:チュニジアは成長中、輸出40億ユーロ

前回2022年大会、チュニジアは2018年優勝のフランスに勝利するも、予選リーグ敗退
前回2022年大会、チュニジアは2018年優勝のフランスに勝利するも、予選リーグ敗退全 6 枚

FIFAワールドカップ2026、日本代表の第2戦、対チュニジアは日本時間で6月21日キックオフ。チュニジアの自動車産業は、欧州向け部品輸出の拠点として存在感を高めている。チュニジア自動車協会によると、同国の自動車関連企業は2025年時点で約300社に達した。2000年の124社から142%増えている。


◆チュニジア自動車産業、欧州向け部品輸出拠点に…関連企業は300社規模

チュニジアは完成車の大規模生産国ではない。米商務省によると、チュニジアでは車両の完全な現地生産は行なわれておらず、小規模な組立産業がある。政府は輸入車に年間の割当制度を設けているいっぽう、国内組立車は割当の対象外としている。

●販売市場は8万台、韓国勢が上位

2024年の新車と中古車を合わせた販売台数は7万9369台で、前年比9.7%増だった。新車が全体の7割超を占めた。ブランド別では韓国のヒョンデとキアが上位で、プジョー、スズキ、トヨタが続いた。

車種構成は小型車が中心だ。消費者は価格に敏感で、大排気量車には高い消費税がかかる。ガソリン車は最大277%、ディーゼル車は最大360%となる場合がある。ただし、正規輸入業者経由では税率が軽減される。

●部品分野が中核、完全輸出企業が65%

いっぽう、産業面では部品分野が中核だ。米商務省によると、チュニジアには260社超の自動車部品企業があり、その65%が完全輸出型だ。対象は補修部品、電線、電子部品、エンジン部品、設計、プラスチック、ゴム、繊維、皮革など広い。

チュニジア自動車協会の資料では、2025年の自動車関連輸出は約40億ユーロ。就業者は12万人超としている。輸出先はドイツが37%、フランスが21%、ルーマニアが12%、イタリアが11%で、欧州向けが中心だ。

同国が欧州向け拠点となる背景には、地理的な近さと貿易協定がある。EUによると、チュニジアの輸出の73.2%、輸入の49.6%はEUが占める。チュニジア自動車協会も、同国を欧州、中東、アフリカ市場への製造拠点と位置づけている。

●HVの関税を50%減免、EVは全額免除

電動化も政策課題だ。チュニジアは2030年までにEV5万台、充電器5000基の導入を目標に掲げる。2022年にはハイブリッド車の輸入関税を50%減免し、EVは全額免除した。ただし、充電インフラ、アフターサービス、車両価格が普及の課題だ。

研究開発分野も広がる。チュニジア自動車協会は、同国がADAS、電動化、組み込みソフト、メカトロニクスの開発拠点になりつつあると説明する。ビステオン、アクティア、アンペア、KPITなどが現地で技術者を雇用している。

日本の外務省の基礎データでは、チュニジアの主要産業として農業、鉱工業、観光業、繊維、機械・電気部品などが挙げられている。JICA(国際協力機構)も、同国で産業人材育成や地域開発などに取り組んでいる。

チュニジアの自動車産業は、国内販売市場としては小規模だ。しかし、欧州サプライチェーンに組み込まれた部品・電装・ソフト開発拠点としては、北アフリカで重要な位置を占めている。

チュニジアの首都、チュニスの旧市街

《高木啓》

アクセスランキング

  1. ボッシュがなぜ「しろくまくん」を買収したのか? “熱とAI”が変える、SDV時代の勝算
  2. クスリのアオキホールディングス、「cars WELLNESS」導入…従業員と社用車向けに
  3. 人気の「フロントサンシェード」が再入荷、『アルファード/ヴェルファイア』40系・『N-BOX』に対応
  4. 日産『ムラーノ』レビュー、CVT廃止と快適性に高評価…海外報道
  5. 「カッコいい!」「いかつくなってる」ホンダ『N-BOX』改良新型で表情一新!SNSで話題に
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「全固体なら勝てる」は本当か、LFP時代に問われる日本の電池戦略…矢野経済研究所 エネルギー&モビリティグループ 部長 田中善章氏 [インタビュー]
  2. 【トヨタ RAV4 PHEV 新型試乗】PHEVはEVよりも高級になりうる、ということを証明した…南陽一浩
  3. マツダの車載CO2回収装置、走行中の貯蔵に初成功…回収量は前回比9.6倍の804gに
  4. 「もはや地図事業だけではないHERE」…人とくるまのテクノロジー展2026初出展の背景を枝代表に訊ねる
  5. タイヤは「管理する時代」へ…ダンロップが提案するフリート運用の新常識
ランキングをもっと見る