ホンダ、パワーユニット『eGX』シリーズを拡充…電動化トレンドを見る

eGXシリーズ(CSPI 2026)
eGXシリーズ(CSPI 2026)全 31 枚

ホンダ(本田技研工業)は6月15日、業務用作業機向け電動パワーユニット『eGX(イージーエックス)』シリーズに、高出力モデル3機種「GXE4.0D」「GXE6.0D」「GXE9.0D」を追加し、今秋から供給を開始すると発表した。日本を皮切りに、米国や欧州などへ順次供給地域を拡大する。


◆高出力帯の建設機械や産業機械への搭載が可能に

2021年に発売されたeGXシリーズは、最大出力1.8kWの電動パワーユニットとして、ランマーやプレートコンパクターなどの小型作業機を中心に採用されてきた。

低騒音や低環境負荷といった電動ならではの特長を持ち、換気が困難な場所や住宅地、夜間工事現場など、騒音や排出ガスへの配慮が求められる環境で活用されている。また、ガソリンエンジンに比べて始動操作が容易で、整備や消耗品交換の負担軽減にも貢献してきた。

いっぽうで、ショベルカーや高圧洗浄機など高出力を必要とする作業機では、従来の電動パワーユニットでは出力が不足し、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンが主流だった。

今回追加する3機種は、ホンダの電動二輪車向けモーター部品を活用し、最大出力3.7kWの「GXE4.0D」、6.0kWの「GXE6.0D」、8.7kWの「GXE9.0D」を実現した。これにより、ミニショベルやローラーなど高出力帯の建設機械や産業機械への搭載が可能となり、eGXシリーズの適用領域を大きく広げる。

モーターはホンダの電動二輪車と部品を共用し、磁気回路と構造を最適化した。内燃機関の「GX」エンジンで培った信頼性・耐久性を踏襲し、eGXシリーズも耐振動性・耐環境性が要求される建設機械用途にも搭載可能な構造となった。また、高出力作業機での連続使用に対応する充分な冷却性能を持つという。

バッテリーボックス(CSPI 2026)

◆モバイルパワーパックを電源として採用

新製品は交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック)」を電源として採用する。充電済みバッテリーとの交換による連続運転が可能で、作業中のダウンタイム低減に寄与する。

モバイルパワーパックは、『BENLY e:(ベンリィ・イー)』や『EM1 e:(イーエムワン・イー)』などの電動二輪車にも採用されている規格型バッテリーとなっている。1.3kWh以上の電力を貯蔵するリチウムイオンバッテリーだ。

ホンダは量産モデル投入に先立ち、国内建設機械メーカー向けに高出力eGXとモバイルパワーパックを供給し、実際の作業現場で性能や耐久性、使い勝手の検証を進めてきた。今回の3機種は、その実績を踏まえたグローバル向け量産モデルとなる。

GXE6.0Dモーターユニット(CSPI 2026)

◆eGXシリーズの活用シーン

eGXシリーズは、夜間道路工事や住宅地工事、トンネル・屋内工事などでの活用を想定している。

排ガスやガソリン蒸気を発生しないため、トンネル内や屋内など閉鎖空間での作業に適している。また、内燃機関エンジンを使用しないため、道路工事や鉄道保線作業など夜間工事での活用が進んでいるという。

さらに、モーターユニット、バッテリーボックス、インターフェイスユニットを分離した構成とし、作業機械メーカーが完成機を自由に設計しやすくした。加えて、内燃機関のGXシリーズとの互換性を持たせることで、既存製品の電動化を容易にしている。フランジ取り付け部およびシャフトの寸法が「GX200」と同一になっている。


《高木啓》

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