ヤマハ発動機は6月25日、オランダ・アッセンで開催中のオランダGPの合同記者会見で、MotoGPとの共同による新たな長期プロジェクトを発表。2028年から2033年にかけて、ヤマハがFIM Moto3世界選手権の独占マシンサプライヤーとなる。
プロジェクトの中核となるのは、ヤマハ発動機が開発する新型レース用プロトタイプマシンだ。エンジンは実績あるCP2プラットフォーム(688cc・水冷直列2気筒・270度位相クランク)をベースに、グランプリ向けに大幅な再設計を施す。最終的には現行のMoto3マシンよりも優れたパワーウエイトレシオを実現し、次世代ライダーの体格やライディングスタイルに適合したフルサイズマシンの提供を目指す。
またこのプログラムは、FIM Moto3世界選手権の枠を超えたライダー育成支援も視野に入れている。JuniorGP Moto3では2029年以降、スペックをやや抑えたマシンの採用が見込まれているほか、同プラットフォームへの参加に関心を持つ他のエリア選手権との協議も進められているという。
今後のスケジュールとしては、年内にプロトタイプマシンのテストを実施し、マシンの公開は2027年シーズンを予定。この間、ヤマハとMotoGPは段階的に情報を発信していく方針だ。
Yamaha Motor Racingのマネージング・ディレクター、パオロ・パヴェジオ氏は「私たちの目標は単にマシンを作ることだけではない。ライダーやチーム、そしてチャンピオンシップそのものを長期的に支えることのできるプラットフォームの構築を目指している」と述べた。プロジェクトにはヤマハ発動機、Yamaha Motor Racing、Yamaha Motor Europeの専門知識が結集されており、グローバルな取り組みと位置づけている。
MotoGPのチーフ・スポーティング・オフィサー、カルロス・エスペレータ氏は「今回のプロジェクトでは、ヤマハ発動機と協力して、若いライダーのためのグローバルなプラットフォームを構築していく。この変化はモーターサイクル・レースに大きな貢献をもたらすと確信している」とコメントした。
ヤマハは今回の発表について、単なる新型マシンの投入にとどまらず、次世代のグランプリ・レースとその未来を切り拓くライダーたちに向けたヤマハのビジョンを示すものだとしている。




