ブラジルは年間約260万台規模の自動車市場を持つ南米最大の自動車市場だ。大きな特徴は、サトウキビ由来のエタノール燃料が広く使われていること。多くの乗用車は「Flex Fuel(フレックス燃料車)」で、ガソリン、エタノール、両者の混合燃料のいずれでも走行できる。
◆世界最大級のエタノール車市場
これは1970年代の石油危機をきっかけに始まった国家プロジェクトが発展したものだ。現在では、新車販売の大半がフレックス燃料車となっている。
国際エネルギー機関(IEA)の「Brazil 2025 Energy Policy Review」によると、2024年のブラジルのライトデューティ車販売の79%がフレックス燃料車だった。IEAは、ブラジルがフレックス燃料車の生産と普及で世界をリードしていると説明している。
ブラジル全国自動車製造業者協会(ANFAVEA)も、自動車産業統計で生産、国内販売、輸出の動向を公開している。ブラジルは南米最大級の自動車市場であり、フレックス燃料車が新車販売の主流となっている点で、世界でも例外的な市場といえる。
米国やスウェーデンにもフレックス燃料車市場はある。しかし、新車販売に占める比率や、エタノール燃料の利用を前提とした市場構造では、ブラジルが突出している。
日本市場では、ブラジルのようなフレックス燃料車は一般販売されていない。日本ではエタノール対応はE10対応車の制度整備にとどまり、高濃度エタノール燃料を日常的に使う市場にはなっていない。




