STマイクロ、耐量子コンピュータ暗号搭載のセキュア・モバイルチップ「ST54M」発表…次世代コネクトサービス向け

STマイクロエレクトロニクスが耐量子コンピュータ暗号を処理するハードウェア回路を搭載したセキュア・モバイルチップ「ST54M」を発表
STマイクロエレクトロニクスが耐量子コンピュータ暗号を処理するハードウェア回路を搭載したセキュア・モバイルチップ「ST54M」を発表全 1 枚

世界的な総合半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクスは、耐量子コンピュータ暗号を処理するハードウェア回路を搭載したセキュア・モバイルチップ「ST54M」を発表した。

ST54Mは、NFCコントローラ、セキュア・エレメントIC、eSIM機能を1つのシングルダイに集積した最先端のソリューションだ。非接触型決済、交通機関での電子チケット、入退出管理、デジタル身分証明書、運転免許証、デジタルカーキーなど、幅広い用途に対応する。

■将来の量子耐性セキュリティ要件に対応

モバイル端末が金融取引や本人確認など重要なプラットフォームとして普及する中、製品開発者にはセキュリティ・パフォーマンス・利便性を損なわずに複数機能を統合するソリューションが求められている。

ST54Mは、移動体通信事業者、金融機関、行政、交通機関、自動車メーカー、デジタルウォレット、サービスプロバイダなどが関わる幅広いシステムでの利用を想定して開発された。2030年頃までに義務化が見込まれる業界主導型の市場展開要件に対応するため、メーカーが十分な準備期間を確保できるよう、間もなく市場投入される予定だ。

■耐量子暗号アルゴリズムML-KEMとML-DSAを搭載

ST54Mの主な機能として、耐量子コンピュータ暗号(PQC)の一つであるML-KEMと、デジタル署名アルゴリズムML-DSAをハードウェアエンジンとして搭載している。ハイブリッド暗号アプローチから完全な耐量子コンピュータ暗号への移行過渡期をサポートし、サイドチャネル攻撃やフォールトインジェクション攻撃からの保護も支援する。

また、複数のアプリケーションをサポートする大容量メモリと強化されたRFフロントエンドを統合しており、小型アンテナやシングルエンド構成でのRF性能向上、モバイルPOS(mPOS)やワイヤレス充電などの高度なユースケースにも対応する。

国際規格コモン・クライテリア2022を基にした欧州連合が制定したICT製品向け共通サイバーセキュリティ認証制度EUCCに準拠しており、2026年7月のEMVCo認証取得および量産開始を目標としている。

STマイクロエレクトロニクスは約4万9000名の従業員を擁し、約20万社を超える顧客と数千社のパートナー企業と協力する世界的な総合半導体メーカーである。

《森脇稔》

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