BYD12万人の技術力と日本市場への本気度、補助金逆風下「ラッコ」の戦略とは…BYD Auto Japan 東福寺厚樹 代表取締役社長[インタビュー]

BYD12万人の技術力と日本市場への本気度、補助金逆風下「ラッコ」の戦略とは…BYD Auto Japan 東福寺厚樹 代表取締役社長[インタビュー]
BYD12万人の技術力と日本市場への本気度、補助金逆風下「ラッコ」の戦略とは…BYD Auto Japan 東福寺厚樹 代表取締役社長[インタビュー]全 5 枚

来たる8月24日、オンラインセミナー「世界をリードするEVの雄、BYD~その真の技術力と日本市場での戦略に迫る!~」が開催される。セミナーに登壇するのは、BYD Auto Japan代表取締役社長の東福寺厚樹氏。激変するグローバル自動車市場の最前線で指揮を執り、日本市場における新たなモビリティの普及に挑み続けている経営者だ。

今回のセミナーの主なテーマは以下の通りである。

1.BYDの紹介
2.世界のEV普及状況
3.中国の自動車市場/日本の自動車市場
4.BYDのクルマ作りと最新技術
5.BYDの日本での活動と今後
6.質疑応答・対談

セミナーの開催に先立ち、東福寺氏に最新の動向やセミナーの見どころを伺った。

12万人のエンジニアが支える圧倒的R&D力と着実な「積み重ね」が生んだ急成長

BYDは今や、新エネルギー車(NEV)の世界販売台数でテスラを凌ぐ世界一の座に躍り出ている。しかし、東福寺氏は「BYDは決して突如として登場、成長した企業ではない」と強調する。

世界をリードするEVの雄、BYD~その真の技術力と日本市場での戦略に迫る!セミナー資料

「我々の根底にあるのは『Build Your Dreams』、そして『地球の温度を1度下げる』という変わらない企業姿勢です。IT・エレクトロニクスから新エネルギー、自動車、都市モビリティまで幅広く手掛けています。世界的な従業員100万人弱のうち、実に12万人ものエンジニアを擁する超技術オリエンテッドな会社なのです」

2003年の自動車事業進出以降、特に直近5年間のコロナ禍を明けてからの急成長が目立ちますが、これは政府主導の政策だけで伸びてきたわけではありません。中国の『新エネルギー自動車産業発展計画』という国を挙げた育成策が始まる遥か前の2003年より着実な研究開発の積み重ねを行ってきたからこそ、政策の波が来た瞬間に一気に飛躍することができたのです。4月に新エネルギー自動車の累計販売台数も1,600万台を超え、名実ともに世界一のNEVメーカーとなりました」(東福寺氏)

自動車メーカーの企画・開発部門にとって、「12万人のR&Dリソース」という数字は驚異的だ。この圧倒的な母数が、競合他社を寄せ付けない開発スピードを生み出している。

アーリーマジョリティを巻き込む世界のEV市場と流動化する日本市場の現在地

世界に目を向けると、EVの普及はもはやキャズムを越え、次のフェーズへと移行している。東福寺氏は各国のエネルギー事情と普及率のデータを交えて解説する。

「中国市場では、今や販売される自動車の2台に1台が新エネルギー車となっています。普及率25%の壁を越え、アーリーマジョリティを巻き込んだ完全にEV主導のマーケットへと変貌を遂げました。アメリカは政策変更による足踏みが見られますが、グローバル全体での右肩上がりの潮流は変わりません」

「特に海外では、ガソリン価格の高騰がダイレクトに消費者の生活を直撃する社会構造になっているため、毎日使う生活の道具としてのEV需要が一気に盛り上がっています。中国市場では通信系のシャオミやファーウェイといった異業種からの参入組が中・高価格帯でフル装備のEVを投入し、激しいシェア争いを繰り広げています」(東福寺氏)

世界をリードするEVの雄、BYD~その真の技術力と日本市場での戦略に迫る!セミナー資料

一方で、日本市場の現状はどうだろうか。日産・ホンダ・三菱自動車の提携話や他メーカーの動向、さらには中国の奇瑞汽車と日本のオートバックスセブンなどとの共同出資によるEMTAなど、日本国内もにわかに流動化の兆しを見せている。

「日本市場におけるBEVの普及は海外に比べれば緩やかですが、着実に右肩上がりを見せています。特に今年は、日産リーフやトヨタのbZ4Xなどの国産BEVの導入や、政府補助金の増額も追い風となり、潮目が変わりつつあると感じています」(東福寺氏)

釘差し試験でも発火しない「ブレードバッテリー」と航続2100kmを誇る次世代技術

BYDの強さの核心は、その「技術力」にある。今回のセミナーの大きな見どころの一つが、独自のコアテクノロジーに関する解説だ。まず挙げられるのが、驚異的な安全性を誇る「ブレードバッテリー(リン酸鉄リチウムイオン電池)」である。

《鈴木万治》

鈴木万治

鈴木万治|スズキマンジ事務所代表 1986年(昭和61年)名大院工学部原子核工学修了、日本電装(現デンソー)入社。宇宙機器開発やモデルベース開発など全社プロジェクトを担当。2017年から20年まで米シリコンバレーに駐在し、18年からは中国子会社のイノベーション部門トップも兼務。数週間ごとに米中を行き来する生活を送った。21年にスズキマンジ事務所を開業。(記事は個人の見解であり、所属する会社とは一切関係ありません)

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