グローバルなエンジニアリング企業であるリカルドは、英国政府が支援する総額1000万ポンドの研究プロジェクトの主要パートナーとして参画することを発表した。
このプロジェクトは「SUITE(Smart Use of Integrated Technologies for EVs)」と呼ばれ、手頃で利用しやすく持続可能な電動モビリティの実現に向け、効率的なエネルギー技術の統合を目指すものだ。
プロジェクトは日産テクニカル・センター・ヨーロッパ(NTCE)のエンジニアが主導する。車載ソーラーパネル、インテリジェント充電デバイス、GaN(ガリウムナイトライド)半導体、AI技術を活用し、EVのエネルギー効率向上・充電コスト削減・電力グリッドへの貢献を目指す最先端技術の開発を進める。
リカルドはRAMイノベーションズと緊密に連携し、50kWと150kWの2種類の出力に対応した先進的かつ低コストのGaNトラクションインバーターを設計・開発する。このインバーターは新型日産『リーフ』への搭載を想定している。
プロジェクトは英国政府の4億ポンド規模の「DRIVE35」プログラムの一環として実施され、英国ビジネス・貿易省がアドバンスト・プロパルジョン・センターUK(APC)およびイノベートUKと連携して推進する。完成まで約3年を見込む。
GaN技術は近年進化を遂げ、高電流対応が可能となり、高出力トラクション用途への応用が広がっている。シリコンカーバイド半導体と比べて高いスイッチング周波数を低損失・低コストで実現できる点が特長で、システム効率の向上とインバーターコストの削減につながる。
開発されたGaNパワーモジュールはブリストル大学の研究室で業界標準に基づく徹底した試験が行われる。またリカルドはウィーテックとも連携し、インバーターコントローラーにAI制御・監視アルゴリズムを組み込んで部品の信頼性向上を図る。
この技術は高性能自動車・モータースポーツ・防衛車両など複数の分野への応用も見込まれる。
日産自動車のアフリカ・中東・インド・ヨーロッパ・オセアニア(AMIEO)地域の研究開発担当、デビッド・モス上級副社長は「このプロジェクトは英国のイノベーションの強さを示すものであり、EVの次世代統合エネルギー技術に向けた重要な一歩だ」とコメントした。




