トヨタ『プリウス』の車名が消える? “ハイブリッドの象徴”が迎えた転換期

トヨタ プリウス 次世代型の予想CG
トヨタ プリウス 次世代型の予想CG全 11 枚

トヨタプリウス』が消滅する---。近年、SNSや一部の海外メディアで、そんな見方を目にする機会が増えた。1997年に世界初の量産ハイブリッド乗用車として誕生し、「ハイブリッド=プリウス」というイメージを築いただけに、その行方について人々の関心は高い。

【画像】トヨタ プリウス 次世代型の予想CGと歴代モデル

だが、プリウスは現在も商品改良を重ねている。日本では2025年にPHEVへ特別仕様車「G “Night Shade”」を設定。2026年7月時点でもラインアップを維持し、北米では2027年モデルも発表されている。少なくとも現時点で、近いうちに姿を消す状況にない。

◆いまやハイブリッドは珍しくない

それでも「消滅説」が語られる背景には、プリウスを取り巻く環境の大きな変化がある。初代が登場した1997年当時、ハイブリッド車は極めて珍しい存在だった。環境性能を求めるならプリウスという時代が続き、その車名自体がトヨタの電動化技術を象徴するブランドへ成長した。

ところが現在は、『ヤリス』や『カローラ』、『シエンタ』、『ノア/ヴォクシー』、『RAV4』、『クラウン』など、トヨタの主力モデルの多くにハイブリッドが設定されている。BEVの「bZ」シリーズやPHEVも増え、「環境車=プリウス」という図式は以前ほど重みを持たない。北米市場では『カムリ』もハイブリッド専用車となった。かつてプリウスがほぼ単独で担っていた「トヨタの電動化の顔」という役割を、複数のモデルが分担する時代へ変わったのだ。

トヨタ プリウス 次世代型の予想CGトヨタ プリウス 次世代型の予想CG

◆トヨタで続く車名と消える車名

そこで注目したいのは、プリウスという車種が存続するかどうかだけではなく、今後どのような役割を与えられるのかという点だ。

トヨタにはクラウンのように、歴史あるブランドそのものを再構築した例がある。セダンを中心としてきたクラウンは、クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートへ展開し、ブランドのあり方を大きく変えた。いっぽう、『マークX』や『エスティマ』など、時代とともに役割を終えたモデルはラインアップから姿を消している。トヨタが歴史ある車名を無条件で残してきたわけではない。

プリウスについても、将来的に新たな役割を与えられる可能性はある。ハイブリッドが特別な技術ではなくなったからこそ、「プリウスとは何か」を改めて定義する時期に来ているともいえる。

トヨタ クラウン 改良新型トヨタ クラウン 改良新型

◆どうなる、次世代のパワートレイン

そして、プリウスの将来を考えるうえで、もうひとつ気になるのが、次期型の姿だ。あくまで予想だが、今回制作したCGでは、現行型の低くスポーティなワンモーションフォルムを継承しながら、ボディサイドをよりシャープに仕立て、次世代モデルの姿を表現した。

それ以上に注目したいのが、次世代のパワートレインだ。トヨタは電動ユニットとの組み合わせを前提とした、新世代1.5Lおよび2.0L直列4気筒エンジンの開発を進めている。小型・軽量化に加え、高効率・高出力化を狙ったもので、将来のトヨタ製ハイブリッド車を支える重要な技術となる。

なかでも新世代1.5Lエンジンは興味深い。現行プリウスは2.0Lハイブリッドを主力とするが、次世代では新開発の小排気量エンジンと高性能な電動ユニットを組み合わせ、動力性能と燃費性能を高いレベルで両立させる可能性も考えられる。もちろん、2.0Lも有力な選択肢となる。プリウスが今後もトヨタの最新電動化技術を先行して投入するモデルとして位置付けられるなら、パワートレインの進化は大きな見どころとなりそうだ。

トヨタ プリウスPHEV 現行北米仕様2027年型トヨタ プリウスPHEV 現行北米仕様2027年型

◆PHEV仕様に重心が移動?

PHEVの存在感がさらに高まる可能性もある。現行プリウスPHEVは日常の多くをEV走行でまかなえる実用性を備えており、次世代ではEV走行距離の延伸や充電性能の向上など、電動車としての性格をさらに強めることも考えられる。

そうなれば、プリウスは再び単純な「ハイブリッドの象徴」になる必要はない。HEVとPHEVを軸に、その時代の最新電動化技術をいち早く投入するモデルへ、役割を変えることもできる。プリウスは、トヨタの電動化を世界へ広めた歴史的なモデルである。しかし、ハイブリッドが当たり前になった現在、かつてと同じ役割を担い続ける必要はないのだ。

プリウスが迎えているのは「消滅」ではなく、役割の転換なのかもしれない。ハイブリッドが特別ではなくなった時代に、トヨタが「プリウス」という名前にどのような意味を持たせるのか。その答えが、次世代プリウスの姿を決めることになりそうだ。

《APOLLO NEWS SERVICE》

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