スバルのクロスオーバーSUV『クロストレック』が、大きな転換期を迎える。現行モデルの生産終了が決まり、これまでエントリーを担ってきた2.0リットルe-BOXERも姿を消す。次の商品展開では、ストロングハイブリッド「S:HEV」の存在感が一気に高まりそうだ。
◆現行の生産終了を正式発表
スバルは公式サイトで、現行クロストレックの生産終了に伴い、2026年9月14日をもって新規注文の受付を終了すると案内している。さらに「現行モデルをもって2.0Lエンジン車(e-BOXER)の展開を終了する」と明記した。注文が想定を上回った場合には、9月14日以前に受付を終了する可能性もある。
これにより、300万円台前半から購入できた2.0リットルe-BOXER仕様はまもなく姿を消すことになる。
現行クロストレックは、2022年9月に世界初公開された第3世代モデルだ。日本では従来の『XV』から、世界共通名称であるクロストレックへ車名を変更した。ボディサイズは全長4480mm×全幅1800mm×全高1575mm、ホイールベース2670mm。最低地上高は200mmを確保し、日本でも扱いやすいサイズとSUVらしい走破性を両立する。
生産終了する e-BOXER
◆マイルドハイブリッド2.0Lエンジン e-BOXERを終了
日本仕様では当初、2.0リットル水平対向4気筒エンジンにモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドのe-BOXERを設定。その後、2024年12月には2.5リットル水平対向4気筒エンジンを採用したストロングハイブリッド「S:HEV」が追加された。
S:HEVはエンジンが最高出力160ps、最大トルク209Nm、駆動用モーターが最高出力119.6ps、最大トルク270Nmを発生する。WLTCモード燃費は18.9km/リットルで、従来のマイルドハイブリッドAWD車から燃費性能を約20%向上させた。
また、前後輪をプロペラシャフトでつなぐ機械式AWDを維持している点も特徴だ。燃費性能を高めながら、スバルらしい走破性との両立を図っている。
クロストレックは2025年7月にも商品改良を受け、2026年4月には特別仕様車「Limited Black」が追加された。そして今回、2.0リットルe-BOXERの終了が明らかになったことで、次の商品展開ではS:HEVが主力となる可能性が高まっている。
◆81万9500円の価格上昇?
そこで気になるのが価格だ。
現行2.0リットルe-BOXERの「Touring」はFWDが301万4000円、AWDが323万4000円。「Limited」はFWDが323万4000円、AWDが344万8500円となっている。
いっぽう、S:HEVはAWDのみで、「Premium S:HEV」が383万3500円、「Premium S:HEV EX」は405万3500円。現在のラインアップで最も安い2.0リットルe-BOXERとPremium S:HEVを比べると、その差は81万9500円に達する。仮に現在のS:HEVのみを残すとすれば、クロストレックのスタート価格は301万4000円から383万3500円へと一気に上昇する。
スバル クロストレック 改良新型の予想CG◆エントリー仕様の新設定に期待
クロストレックは『フォレスター』よりコンパクトで、比較的手の届きやすいスバルSUVという役割も担ってきた。それだけに、300万円台前半のグレードが消滅するかどうかは、次の商品展開を考えるうえで重要なポイントとなる。
大幅な商品改良が実施されるなら、注目したいのがS:HEVのラインアップだ。現在は「Premium S:HEV」と「Premium S:HEV EX」の2グレードだが、装備を整理したエントリー仕様を新設して価格差を埋めるのか。また、現在S:HEVには存在しないFWDを設定するのかも注目される。ただし、廉価版S:HEVやFWDの追加について、現時点でスバルから発表はない。
◆デザインではフロントマスクを刷新か
エクステリアデザインにも手が入る可能性がある。今回、スクープ班が制作した予想CGでは、現行モデルの基本的なプロポーションを維持しながらフロントマスクを刷新した。
ヘッドライトの基本形状を生かしつつ、LEDシグネチャーをシャープに変更。グリルはワイド感を強調し、内部パターンやバンパー両端、フォグランプ周辺にも手を加えた。クロストレックらしいタフさを残しながら、より精悍な表情をイメージしている。
2.0リットルe-BOXERの終了によって、クロストレックの商品構成は大きく変わる。約300万円から購入できるモデルを残すのか、それともS:HEVへのシフトを機に価格帯そのものを引き上げるのか。次の商品展開では、デザイン以上にパワートレインとグレード構成が焦点となりそうだ。




