【日産 キックス 新型試乗】先代とは打って変わって、何もかもが「いい」…島崎七生人

日産 キックス X e-4ORCE・4WD
日産 キックス X e-4ORCE・4WD全 21 枚

試乗車申し込みの際、あえてグレードの希望をコチラから伝えなかったのが、かえってよかったのかも知れない。(今だから言えば)2020年6月の先代登場の初試乗時とは打って変わって、この「キックス X e-4ORCE・4WD」は何もかもが「いい」と思えるクルマに進化しているのが実感できた。

【画像全21枚】

外観の印象はずいぶん立派になった。といっても実サイズは先代+40mmの全幅が1800mmに留められ、4365mmの全長も先代+75mmで手頃だ。デザインの世代がグッと新しいのも「おや!?」と思わせられるものがあり、テールエンドの“コーダトロンカ振り”は、一瞬、アルファロメオの『ジュニア』か!?とも。

日産 キックス X e-4ORCE・4WD日産 キックス X e-4ORCE・4WD

フードは水平基調だが、運転席から眺めると、左右のボリューム感のあるフード左右の盛り上がりも印象的だ。同様にボディサイドの前後フェンダー部分のふくよかだが自然な抑揚は、このクルマの佇まいを豊かに見せている。フロントからサイドシル、リアバンパーにかけてのボディ下部、樹脂部分表面に、スニーカーの靴底を模したという柄が入っているのは珍しく洒落ている。

◆上質でリラックスできるインテリア

日産 キックス X e-4ORCE・4WD日産 キックス X e-4ORCE・4WD

インテリアも色遣いを含め、デザインに落ち着き感があり、上質でリラックスできる雰囲気。前席に関してはシート表皮と共通の織物がクッションで裏打ちされた状態でインパネ、ドアアームレスト部にも用いられており、そのあしらい方は上品なものだ。

眼前の12.3インチディスプレイはグラフィックがスッキリと見やすく、空調関係は判りやすい物理スイッチ(ダイヤルとボタンの組み合わせ)で、実に操作しやすい。後席は頭上、ヒザ前の空間、窓、ドア開口部がいずれも想像以上に広い。ただしラゲッジスペースは試乗車(X e-4ORCEの4WD)の場合、構造上、床面が高く盛り上がっている。

◆極上の乗り味のe-4ORCE

日産 キックス X e-4ORCE・4WD日産 キックス X e-4ORCE・4WD

新たにCMF-Bプラットフォームを採用した新型は、走りの質感もクラスアップしたかのように格段にレベルアップして感じた。冒頭にグレードの希望を伝えなかったのがかえってよかった云々……と書いたが、それは思いがけず17インチの60タイヤ装着のe-4ORCEに試乗でき、極上の乗り味が確認できたからだ。

タイヤそのものはHankook ventur PRIME 4(26年第9週・中国製)で指定空気圧は前後230kPaというものだったが、ハンドリングはもちろん接地感、音・振、乗り味などいずれも何気なくバランスが高く、バネ下の重さを感じさせない快適性がいいと思った。

日産 キックス X e-4ORCE・4WD日産 キックス X e-4ORCE・4WD

車重は車検証上で前:900kg/後:660kgだが、この適度な車重とタイヤ、足回りのマッチングは見事で、街中から高速走行まで快適なフラットライドをモノにしており、とくにe-4ORCEではブレーキング時の前後モーターの制御によるボディの安定感は心地いい。

◆エンジンが立ち上がった際の“静けさ”に驚かされる

パワーフィールもスムースさが印象的。走行モードはECO/STANDARD/SPORTに切り替え可能だが、いい意味でモードごとの差が極端ではなく、運転がしやすい。動力性能そのものは十分で、発電のためにエンジンが立ち上がった際の“静けさ”にも驚かされる。

日産 キックス X e-4ORCE・4WD日産 キックス X e-4ORCE・4WD

フロントドアを開けてヒンジの奥を覗くと、フロントフェンダー後部の隙間に遮音材が詰めてあるのが見える(写真参照)が、そのほかにも路面検知制御が入っているそうで、唐突にエンジン音が立って気にならないような配慮にもなっているのがわかる。我が家のシュンもクルマの挙動変化の小ささ、静けさに感心していたほど(!?)で、走行中の室内の静粛性は全体的にレベルが高い。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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