パナソニックオートモーティブシステムズは、11月に開催される「EdgeTech+ 2026」に出展し、自動車向けサイバーセキュリティソリューション「VERZEUSE(ヴェルゼウス)」シリーズを紹介する。
VERZEUSEは、自動車の設計・開発から製造、出荷後の運用まで、車両のライフサイクル全体を対象としたサイバーセキュリティソリューションだ。車載システムへのサイバー攻撃を防ぎ、脆弱性の分析やセキュリティ監視、インシデント対応などを支援する。
同社が自動車部品メーカー(Tier1)として培ってきた車載システムの開発・製造経験と、サイバーセキュリティ技術を組み合わせたもので、自社および他社での商用実績を持つ。
●設計から運用まで6つのソリューション
VERZEUSEシリーズは、設計、実装、評価、運用の各段階に対応する6つのソリューションで構成される。
設計段階に対応する「VERZEUSE for TARA」は、車両や車載機器の脅威分析とリスク評価を効率化するツール・サービスだ。自動車のサイバーセキュリティに関する国際規格「ISO/SAE 21434」に準拠した分析を支援する。
開発者は選択式の質問票に回答することで、専門知識がなくても、車両や車載機器の特性に応じたセキュリティ対策要件を決定できる。同社がナビゲーションシステムを分析した事例では、従来30人月を要した作業を3人月に短縮し、作業工数を90%削減した。
実装段階では、2つのソフトウェアIPを提供する。
「VERZEUSE for Runtime Integrity Checker」は、車載ECUのセキュリティ監視機能が改ざんされたり、無効化されたりしていないかを常時確認する。監視機能の完全性を確保することで、ECUのセキュリティを強化する。
「VERZEUSE for Virtualization Extensions」は、車載ECU上の仮想マシンやコンテナ間の通信を監視する。不正な通信による攻撃から、インフォテインメントシステムやメーターなどを含むコックピットシステムを保護する。
評価段階に対応する「VERZEUSE for Threat Evaluation and Security Test Assistance toolkit」は、セキュリティ対策の有効性を自動検証するツール・サービスだ。テスト結果の判定やレポート作成を自動化し、開発者の負担を軽減する。
●出荷後のサイバー攻撃や脆弱性にも対応
車両の出荷後には、セキュリティ監視と脆弱性への対応を支援する。
「VERZEUSE for SIEM」は、車両から収集したセキュリティ関連のログをもとに、サイバー攻撃のリスクや攻撃経路を分析・可視化する。車両サイバーセキュリティ監視センター(SOC)の分析業務を支援し、迅速なインシデント対応につなげる。
「VERZEUSE for SIRT」は、出荷後に判明した脆弱性が車両やECUに与えるリスクを自動分析する。対応の優先順位を判定することで、自動車メーカーのセキュリティインシデント対応チーム(SIRT)の業務効率化を支援する。
これらのソリューションには、同社独自の脅威インテリジェンスデータベースも活用される。
VERZEUSEシリーズは、セキュリティ対策の自動化によって開発者の作業負担を減らすとともに、車両の開発段階から市場投入後まで継続的にセキュリティを確保することをめざす。なおパナソニックオートモーティブシステムズが開発した「VERZEUSE or TARA」は、EdgeTech+ AWARD 2025の「Edge Technology優秀賞」に選定されている。
●EdgeTech+ 2026は11月18~20日に開催
「EdgeTech+ 2026」は、一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)が主催する、組込み・エッジ技術を中心とした展示会だ。AI、IoT、セキュリティなどの最新技術やソリューションを紹介し、300社以上が出展する予定。
会期は11月18~20日の3日間、会場はパシフィコ横浜の展示ホールとアネックスホール。開催時間は10時から17時までで、19日のみ18時まで。入場は事前オンライン登録制で無料となっている。




