多彩なジャンルの音楽を高音質で楽しむため、レクサス『RX300』のカーオーディオを徹底的に作り込んだRTさん。広島県のプロショップ「Warps」でスピーカーやパワーアンプ、DSPの選定からインストールまでこだわり抜き、理想のサウンドと純正同等の積載性を両立させた。
◆パワーアンプ7台とDSPをラゲッジ床下に集約! 緻密なアンプラック設計が光る
ラゲッジのフロアボードを開けるとサブウーファーとパワーアンプ、DSPなどのユニット類が詰め込まれている様子が見えてくる。
前方には積層してインストールされた多数のユニット類が見える。限られたスペースに大量のユニットを収めるアイデアだ。高音質化を追求するためシステム構成に徹底してこだわり、合計7台ものパワーアンプとDSP、サブウーファーまでをラゲッジのフロア下スペースに収めたRTさんのレクサスRX300。フロア下には専用のアンプラックが組まれ、多数のユニットを積層して収めているのが特徴だ。限られたスペースを最大限に活用した高密度なインストールが施されている。
オーナーが求めたのはフロアボードを設置すれば純正と同じ完全にフラットなラゲッジになること。荷物の積載性を犠牲にせず純正状態と変わらない使い勝手を維持することが前提条件だった。そのためパワーアンプやDSPなどのユニット類はすべてフロア下に隠すヒドゥンインストールを採用。高音質と実用性を両立することがシステム設計の大きなテーマとなった。
フロアカバーを開けるとラゲッジ後方にはサブウーファー用のエンクロージャーが組まれ、前方には複雑な構造のアンプラックが設置されている。ラックは上部から見える範囲だけでなく下層にも多数のユニットを配置する多段構造。ラゲッジのフロア高を計算に入れながら各ユニットの設置位置を最適化する緻密な設計が施されている。限られた床下スペースにこれだけの機材を収めながら純正同等のフラットフロアを実現したインストール技術は見逃せない。
◆ビーウィズのモノラルアンプ5台でフロント2ウェイ+センターを独立駆動
DSPに用いたのはゴールドホルンのDSPA1216PLUS。これまでも数度のアップグレードを行ってたどり着いたモデルだ。
サブウーファー用のパワーアンプとして用意したのがJLオーディオのHD750/1。同じくJLオーディオのサブウーファーを駆動する。
アンプラックの下層を見るとビーウィズのモノラルアンプであるP-100Rがインストールされているのが見える。
P-100Rはフロント2ウェイ+センタースピーカーをドライブするため、合計5台を用いている。
リアに用いるRSオーディオのスピーカーをドライブするのはRSオーディオのパワーアンプであるRS A40。ラゲッジのフロア下には高音質再生を支える数多くのユニットが収められている。中でも注目したいのがフロント2ウェイスピーカーとセンタースピーカーをドライブするビーウィズのモノラルパワーアンプ「P-100R」だ。フロント左右のツイーターとミッドウーファー、さらにセンタースピーカーの計5チャンネルをそれぞれ独立して駆動するため、P-100Rを5台投入している。これらのアンプは専用ラックの下段に整然とレイアウトされている。
アンプラックの上段に設置されているのはゴールドホルンのDSP「DSPA1216PLUS」。DSPは各スピーカーへ送る音声信号を細かく調整し、車内で理想的な音場や音質を作り出すための重要なユニットだ。今回DSPを交換したばかりで現在はエージング中とのこと。今後の調整によってさらなる高音質化も期待できる。
サブウーファーをドライブするパワーアンプにはJLオーディオのモノラルアンプ「HD750/1」を採用。こちらはラゲッジのフロアカバーを外すと右サイドに姿を現す。さらにJLオーディオのアンプ下にはリアスピーカー用としてRSオーディオのパワーアンプ「RS A40」をインストール。フロント用の5台と合わせて合計7台ものパワーアンプを使い、それぞれのスピーカーを駆動する贅沢なシステム構成となっている。
アンプラックの左サイドにはブレイムスのキャパシター「HQR-1.3F」をはじめ、ヒューズブロックやターミナルなどの電源関連機器を集中配置するスペースを設けた。電源系の機器を一箇所にまとめることで配線の取り回しやメンテナンス性にも配慮している。多数のパワーアンプを搭載する大規模なカーオーディオシステムだからこそ、電源まわりまで考え抜いたインストールが施されている。
◆JLオーディオの薄型サブウーファーで重低音と純正同等の積載性を両立
サブウーファーには薄型ユニットとして定評のあるJLオーディオの13TW5 v2-2を用いてスペース効率を高めた。
ラゲッジ後部はエンクロージャーのスペースとして利用。十分な容量を確保して低音の再生能力を引き出している。
フロアボードを掛けるとすべてのユニットを隠してフラットフロアができるのもオーナーの望み通り。サブウーファーに採用したのは薄型ユニットとして高い評価を受けているJLオーディオの「13TW5 v2-2」。大口径でありながら奥行きを抑えた設計が特徴で、設置スペースに制約のあるクルマでも本格的な低音再生を狙えるユニットだ。薄型構造を生かすことでエンクロージャーの設置奥行きを抑えやすくなり、ラゲッジ後方の床下スペースを活用したスマートなインストールが可能になった。ラゲッジの約半分を使って構築されたエンクロージャーは十分な容量を確保し、厚みのある豊かな低音再生を実現している。
フロアボードを元に戻せばラゲッジは純正状態と変わらないフラットな空間に早変わりする。フロアをかさ上げすることもなく、荷物の積載性をそのまま維持できるのが大きな魅力だ。サブウーファーのエンクロージャーはもちろん、7台のパワーアンプやDSP、電源関連機器まですべてフロア下に収めているとは思えないほどスマートな仕上がりとなった。高音質を追求するためにオーナーが選び抜いた多数のユニットをコンパクトに集約し、使い勝手を犠牲にしない設計はまさにプロショップならではの技術といえるだろう。
高音質なカーオーディオを構築するためには優れたユニット選びだけでなく、それらをどのように組み合わせて車内に収めるかも重要なポイントとなる。RTさんのレクサスRX300は本格的なオーディオシステムと日常の使いやすさを高いレベルで両立させた好例だ。次回の後編ではビーウィズのハイエンドスピーカーを使って構築したフロントステージを中心に紹介。オーナーお気に入りのサウンドを引き出すためのインストールやシステム構成、さらにはデザインへのこだわりにも迫っていく。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後、出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務し、独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連など幅広い分野の執筆を手がける。カーオーディオ雑誌の編集長も請け負い、現在もカーオーディオを中心とした執筆活動を続けている。

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