三菱自動車のコンパクトミニバン『デリカD:2』が、2028年前後に次世代モデルへ移行する可能性が浮上した。スズキ『ソリオ』をベースとする現行型に対し、三菱独自のデザインを強める展開が予想される。日産自動車との協業拡大が、次期型の開発体制に影響するかも注目点だ。
デリカD:2は、スズキからOEM供給を受ける2列シートのコンパクトミニバンだ。両側スライドドアを備え、都市部での取り回しや日常の使い勝手を重視するユーザーに支持されてきた。現行型は2020年に登場。2025年2月の一部改良では、フロントデザインを変更したほか、パワートレインを新世代の1.2L直列3気筒「Z12E」型エンジンとマイルドハイブリッドの組み合わせに刷新した。
◆「ソリオの兄弟車」という位置付けがどこまで変わるか
スクープ班が入手した情報によると、2028年前後に登場が予想される次期型では、従来のOEMモデルとは異なる商品展開が検討される可能性があるという。注目点は、長年続いてきた「ソリオの兄弟車」という位置付けが、どこまで変わるかだ。
今回、スクープ班が制作した次期型の予想CGでは、現行型のコンパクトなボディと両側スライドドアを継承しながら、フロントマスクを大胆に刷新した。薄型LEDランプと上下に分割したヘッドライト、大型グリルを組み合わせ、三菱らしい存在感を強調。フロントバンパーにも力強い造形を与え、ソリオとは明確に異なる表情を持たせた。
さらに、ブラックルーフやスクエアなボディ形状を採用。『デリカD:5』や『デリカミニ』にも通じるタフなイメージを表現し、「デリカ」シリーズの一員であることを前面に押し出した。
三菱 D:2 次期型の予想CG
◆「デリカ」の名称は三菱ブランドを象徴する
こうしたデザインの方向性は、三菱が進めるブランド戦略にも沿うものだ。
三菱は2026年5月に公表した中長期ビジョンで、個性を際立たせた商品とブランドの強化を掲げた。国内市場ではデリカD:5とデリカミニが独自の存在感を示しており、デリカの名称は三菱ブランドを象徴する重要な資産となっている。
次期デリカD:2でも、コンパクトミニバンとしての実用性を維持しながら、より明確なデリカらしさを追求することが考えられる。
◆日産がコンパクトカーを開発中だが?
いっぽう、開発体制では日産との関係が焦点となりそうだ。
三菱と日産は、軽自動車の共同開発・生産を継続するとともに、電動車や商用車などの領域で協業を拡大する方針を示している。三菱から日産へのプラグインハイブリッド車(PHEV)や多目的車(MPV)の供給、日産から三菱へのバッテリーEV(BEV)や商用バンの供給など、技術と商品を相互活用する動きが進む。
さらに日産は、2028年度以降の日本市場に、新たなコンパクトファミリーを投入する計画を明らかにしている。
現時点で、この新型コンパクトファミリーと次期デリカD:2との直接的な関係は明らかになっていない。次世代コンパクトカーの共同開発も、両社が開発効率の向上と車種構成の最適化を進める中で考えられる選択肢の1つだが、次期デリカD:2への適用は推測の段階だ。
仮に日産との協業が次期デリカD:2に及べば、スズキからのOEM供給を基本とする現在の成り立ちが大きく変わる可能性がある。
デリカ D:2 現行◆パワートレインは現行から継承
パワートレインは、現行型を引き継ぐ1.2L直列3気筒エンジンとマイルドハイブリッドの組み合わせが有力候補と予想される。
現行ソリオは、Z12E型エンジンとマイルドハイブリッドの組み合わせにより、2WD車でWLTCモード燃費22.0km/Lを実現している。次期デリカD:2が引き続きソリオをベースとする場合、エンジンや電動アシストの制御を進化させ、燃費性能と日常的な速度域での走行性能を高める方向が考えられる。
いっぽう、日産との共同開発に移行する場合には、新たな電動化技術を採用する可能性もある。パワートレインの選択肢が広がれば、従来とは異なる特徴を持つコンパクトミニバンへ進化することも考えられる。
次期デリカD:2の登場時期は2028年前後と予想される。現行型の使い勝手を継承しながら三菱独自のデザインを強めるのか、日産との協業が車両の基本構造にも及ぶのか。三菱のコンパクトカー戦略を占うモデルとして、その方向性が注目される。




