米SDRC、アジアパシフィック本部を東京に移転

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I-DEAS、Metaphase EnterpriseなどのCAD/CAM/CAE(Computer AidedEngineering)ソフトで知られる米SDRCは、アジアパシフィック本部を東京に移転すると発表した。従来、この本部は、SDRCの本社のあるオハイオ州シンシナティに本拠を構えていた。同社の日本市場重視を示すものといえる。

アジアパシフィック本部をアジアに移転することは、ここ数年の懸案だった。'98年春には、シンガポールへの移転がほぼ決まり、米国の社員が、日本の代理店に「シンガポールに引っ越すことになった」と言っていたほどだった。今回、責任者の交代などがあって、移転が決行されることになった模様。

移転の理由について、SDRCは、SDRCがアジアパシフィック市場を重視していることの現れで、同地域の顧客、見込み客、フィールドパートナー、代理店とより緊密に連携したいから、と説明している。この地域における販売代理店パートナー企業は、600以上に及ぶという。

同地域の主な拠点として、日本のマツダプログラムオフィス、日産プログラムオフィス、SDRC/HPMetaphaseソリューションセンター、オーストラリアのアジアパシフィックサポートセンター、フォードプログラムオフィス、インドのPDM(ProductData ModelingあるいはManagement)コンピテンシーセンター、SDRC製品開発機構をあげている。

日産と、I-DEAS Masterシリーズを基礎とした次世代ソリッドモデリングCAD/CAM/CAEの共同開発で合意するなど、SDRCと自動車メーカーとの結び付きは確かに強い。前述の拠点リストの中でも、特定の企業名を冠した拠点は、自動車会社向けだけである。

マツダ、日産の外資色が強まり、かつ、グローバル企業が巨大なシステムをグループで共有することで、開発投資負荷を軽減する方向に進んでいる状況では、マツダ、フォード、日産に配慮して、東京に本部を移す理由は薄いと言わなければならない。記者(中野)は、中部地方の大手自動車メーカーとSDRCとの間でプロジェクトが進んでいるのではないかと推測して、探りを入れてみたが、今までの取材の状況では、その筋は、なさそうである。

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