トヨタ、NTTに次ぐ通信会社に、京セラとKDD、IDO、DDI合併を合意

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新電電最大手の第二電電(株)(DDI)と国際通信最大手のケイディディ(株)(KDD)、携帯電話会社の日本移動通信(株)(IDO)の3社は16日、2000年10月1日をもって合併するとの最終合意に達し、同日、覚書に調印、都内で記者発表を行なった。合併後の存続会社はDDIで、社名は“株式会社ディーディーアイ”、ロゴは“KDDI”とする。新会社の連結売上は2兆円を超え、国際から国内長距離、携帯電話とPHSの移動体まで通信全般を持つことになり、日本電信電話(株)(NTT)に次ぐ国内第2位の通信会社となる。


合併に合意した3社と株主企業の首脳。
左から京セラ社長の西口泰夫氏、
同名誉会長の稲盛和夫氏、
KDD社長の西本正氏、
DDI社長の奥山雄材氏、
IDO社長の中川哲氏、
トヨタ自動車会長の奥田碩氏、
同社長の張富士夫氏

発表によると、新会社の社長にはDDI社長の奥山雄材氏が就任する。名誉会長としてDDI名誉会長の稲森和夫氏(京セラ(株)名誉会長と、トヨタ自動車(株)名誉会長の豊田章一郎氏が就任する予定だが、その他の役員人事については未定という。

株式割当は、DDIの1株(額面5000円)に対し、KDD株92.1株(額面500円)、IDO株2.9株(額面5万円)を割り当てる。この結果、合併後の持ち株比率はDDIの筆頭株主である京セラが15.8パーセントと1位になり、IDO株の6割を所有するトヨタ自動車が10.3パーセントで2位となる。だが合併前にトヨタを引受先としてDDIが第三者割当増資を実施する予定で、この結果、京セラとトヨタの比率は2パーセント程度の差になるという。

今後のスケジュールは、2000年3月に合併契約書を承認する取締役会を開き、同年4月1日に合併契約書に調印。同年6月に株主総会で契約書の承認を得て、10月1日に正式に合併する。

DDIは'83年に通信事業の自由化で京セラやソニー(株)らの出資で誕生し、国内長距離や携帯電話とPHSの移動体を持つ新電電の最大手。関東と東海地区を営業基盤とするIDOは、携帯電話では関西方面で展開するDDIと“cdmaOne”ブランドで提携、同ブランドは両社合計で加入者320万人を超えるヒットとなった。KDDは国際通信最大手だが、今年7月にエヌ・ティ・ティコミュニケーションズ(株)(NTTコム)が参入して料金競争が激化した上、確実な成長が見込まれる移動体通信網を持たないため、経営体質の弱さを指摘されていた。

3社合併の直接のきっかけは、2001年に商用化が始まる第3世代移動体通信・IMT-2000への対応だ。IMT-2000では、エヌ・ティ・ティ移動通信網(株)グループ(NTTドコモ)と、英ブリティッシュテレコム社(BT)と資本提携した日本テレコム(株)の2グループが具体的な計画を発表して先行。来年3月に迫る免許申請を目前にし、3社と京セラ、トヨタは、次世代通信分野で生き残り、NTTに対抗しうる経営基盤構築のためには3社の合併が必要と判断、年内の合意にこぎ着けた。

都内のホテルで開かれた記者発表会では、3社の社長と京セラ、トヨタのトップが顔をそろえた。


トヨタ自動車会長の奥田碩氏、同社長の張富士夫氏

トヨタ自動車会長の奥田碩氏は、「情報通信は成長産業。トヨタの本業である自動車と、ITSなどを結んだネットワークで相乗効果も期待できる。国際から移動体まで、全分野を全国規模でシームレスに展開する会社は、トヨタの情報事業にとっても利益をもたらすだろう」と述べ、トヨタとしても合併を歓迎していることを強調した。

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