【ボンドカーの真実を探る Vol. 4】国産メーカー開発者にインタビュー〜プロの愛したクルマたち〜

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【ボンドカーの真実を探る Vol. 4】国産メーカー開発者にインタビュー〜プロの愛したクルマたち〜
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ボンドカーは映画の中での空想の産物なのだが、根強いファンがいる。もちろんクルマ作りのプロの間にだってボンドファンはいる。そういったプロに好きなボンドカーはどれか尋ねてみた。なお「ボンドカー」とは狭義にはQブランチの支給品、広義には映画に登場したすべてのクルマをさすが、ここでは劇中でボンドが使用したクルマならすべてボンドカーとした。回答者の掲載は返答を受け取った順、敬称略。

菅原重昭(トヨタ、チーフクリエイティブデザイナー) 「今までの007に使われたボンドカーの中でいちばん好きなクルマは? ということなら……トヨタ『2000GT』!! 別にトヨタに勤めてるからではなく、日本を舞台にした007作品で、日本のかっこいいクルマに、当時の少年(私)は超興奮し……はじけてしまいました。最近そういうクルマがないですよね」

日向隆(スズキ、デザイナー) 「私の場合、ロータス『エスプリ』です。もちろん個人的に好きなスタイルなのですが、あの水中を走る(泳ぐ)姿が、妙なことにマグロやシャチを想像させ、印象に残っています」

仲西昭徳(三菱自動車ヨーロッパ研究所、デザイン部長) 「私にとってのボンドカーは『ゴールドフィンガー』に出ていたアストンマーチン『DB5』です。やはり女王陛下の007ですから英国車でなくては、と思います。私もまだ多感な頃でしたし、あのころの英国車は本当に輝いていました。次点はトヨタ『2000GT』です。国産車がボンドカーになったということを大変誇りに思いましたから。このクルマはボンドカーでなくても好きな国産車の1台です。そういえばあのころのトヨタ車も面白い車がありましたよね」

石渡邦和(いすゞ、経営企画室・部長) 「もちろんアストンマーチン『DB5』です。『ゴールドフィンガー』でしたか、今でいうカーナビを装備して、マウンテンロードで『マスタング・コンバーチブル』に乗る女性を追いかけるシーンは今でも脳裏を離れません。ホイールのセンターロックがドリルになってせり出してくるというアイディアに感動したものでした。地図つきレーダーが今日のカーナビ開発に拍車をかけたのは間違いないでしょう。映画が現実の世界に大きな影響を与えた好例とも言えると思います」

武沢啓吾(日産ディーゼル、デザイナー) 「あまり知らないのですがアストンマーチン『DB5』が好きです。兄がプラモデルを持っており、ライセンスプレートが3枚パタパタ変わったり、アクスルセンターからシャフトが外に伸びて他のクルマのタイヤをパンクさせたりと、まだ古い時代で、僕たちでも思い付きそうな機械的な仕掛けがかわいいので好きです」

河岡徳彦(マツダ、デザイン部長) 「作品は『ゴールドフィンガー』、そしてボンドカーは『DB5』しか考えられません」

今安道治(本田技術研究所、空力デザイナー) 「ボンドカーといえばやはりアストンマーチン『DB5』でしょう。英国紳士がドイツ車に乗ってはいけません。ましてや秘密諜報部員が 開放的なオープンでは仕事に差し支えます。いまでも基本デザインを継承するアストンマーチンがボンドカーに似合っているとおもいます。『DB5』は当時としてはハイテク満載のクルマだったと思います。特にナンバープレートが回転するところが良いですね。日本や対米サイズのクルマでは間が抜けてます。ヨーロッパサイズだからさまになるのでしょうね」

坂口善英(日産、モデル開発室長) 「007シリーズは好きな映画です。特に『ゴールドフィンガー』はテンポ、ストーリの流れ等、最高の出来だと思いました。クルマはこの作品に出てくるアストンマーチン『DB5』モディフィケーションと、次作の『007は二度死ぬ』に出てきたトヨタ『2000GT』(オープン)が好きです。『ロシアより愛をこめて』に出てきた電話付きのベントレーも良かったです。ロータス・エスプリはストーリーでクルマをおもちゃっぽくし過ぎであると思いました。エスプリのカッコよさをつぶしてしまいました」

《高木啓》

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