アメリカをもっとバリアフリーにする自動車購買パンフレット

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アメリカのNHTSA(高速自動車安全協会)は、クリントン政権の「身障者にもっとバリアフリーな社会を」との要請に答え、身障者用自動車に関する詳細なパンフレットを作成、全国で配付することを決定した。

パンフレットは13ページのカラー版で、全米で3万5000部が配付予定。身障者へのバリアフリー化が進んでいるアメリカでも、障害の程度に合わせた自動車を手に入れるのは複雑で面倒なプロセスだという。これを解消するために、パンフレットではステップごとの自動車購買方法、あるいは現存のクルマを適切なディーラーで改造してもらう方法などを説明している。またパンフレットでは、途中から身障者になってしまった人のために、改造車両の使い方、注意点なども説明している。

アメリカで現在身障者用の自動車は38万台が登録されている。内容としては手でアクセル、ブレーキなどの操作ができるもの、ジョイスティックによるステアリング、車椅子用のリフト、ソフトタッチのブレーキなど。こうした自動車はメーカーが直接身障者用車両として販売することもあるが、特殊な販売ルートのため一般には手に入りにくい。普通の自動車を改造する場合も、政府の安全基準に従った改造を行えるディーラーはまだまだ少数。

身障者にとって、自分でクルマを運転し移動できる自由を持つことは人権を考える上でも重要なこと。特にクルマ社会のアメリカでは、運転できないことが死活問題にも関わりかねない。今回NHTSAが配付するパンフレットは問題解決の完全な答えとはいえないまでも、情報が不足しがちなコミュニティに対しておおいに役立つと期待されている。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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