期待の新型車が来ない! 〜 新戦略のフォード日本、早くも窮地に

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フォードの対日ビジネスが早くも試練を迎えている。3月に発売されたはずの世界戦略車『フォーカス』が、実は今日まで1台もユーザーの手元に届いていないことが明らかになった。エンジンからの異音が原因で、供給は6月からになるという。フォード日本は「見切り発車するよりも、品質重視を選択した」(岩國頴二社長)と説明している。

異音の苦情はドイツのユーザーからだった。欧州フォードが調査したところ、原因はエンジンベアリングの一部と判明。欧州、北米向けは問題にならない水準だが、フォード日本は「日本の顧客は納得しない」(岩國社長)と、対策を要請したという。このため、スペインで生産し終えた800台、船便ですでに到着した300台が“足止め”をくっていた。

フォード日本によると、3月の発売から今まで760台を受注した。納期遅れが原因のキャンセルは1件だけというが、ディーラーにとっては3月の最大需要期に、期待の新車が来ないという最悪の結果に。岩國社長が緊急ディーラー会議を招集し、事実経過の説明にあたったが、ディーラーの心中は穏やかではないはずだ。

ただ、対策済みのフォーカスは6月から供給を開始し、これまで自粛してきたCFも再開するという。今年の販売目標(5000台)の修正は考えていないという岩國社長自身「本来なら5月末までに1000台売れているはずだった」と漏らす。

フォードは昨秋、対日戦略を量から質へ180度転換し、高級輸入車ブランドとして再出発したばかり。ブランドイメージを守った結果とは言え、前途多難な船出となった。

《編集部》

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