【安田有三が斬る】三菱リコール問題分析(1):ダイクラの支配強化

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【安田有三が斬る】三菱リコール問題分析(1):ダイクラの支配強化
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欠陥車情報を隠し続けてきた事件は、ダイムラー・クライスラーによる三菱自動車工業への支配を強める格好の口実となった。この事件をきっかけに、ダイムラー・クライスラーは当初予定していなかったCOO(最高執行責任者)を三菱自動車に送り込むことができるようになったし、ダイムラー・クライスラーによる持株比率をさらに引き上げることに含みを持たせることができたからである。

引責辞任することになった三菱自動車の川添克彦社長はダイムラー・クライスラーとの資本提携交渉が表明化して以降、資本提携しても三菱自動車の独自性は保つと言い続けていた。が、三菱自動車とダイムラー・クライスラーとの資本提携交渉が発覚した時点で、三菱自動車がダイムラー・クライスラーに呑み込まれるのは時間の問題だった。

というのも、三菱グループの中核企業である三菱重工業や三菱商事は、三菱自動車の乗用車部門に早くから見切りをつけており、分社することが決まっている三菱自動車のトラック部門が三菱グループに残ればいいと判断していたからだ。

三菱重工と三菱商事は、将来展望のない三菱自動車の乗用車部門を外国自動車メーカーと資本提携させて三菱グループから切り離すため、当初、米国のGM(ゼネラルモータース)に、三菱自動車の頭越しで資本提携の意向を打診した。この経緯をみても、グループの意向は明らかである。欠陥車情報隠しがダイムラー・クライスラーによる三菱自動車への支配を強めたといえよう。

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