BMWは水素燃料自動車の市場投入を2006年度までに行うという目標を正式に定め、新しいタイプの水素燃料エンジンの設計に着手したことを明らかにした。
水素燃料エンジンの搭載が予定されているのは同社の最高級セダン『7シリーズ』で、昨年から実用化を前提とした走行実験が繰り返し実施されている「バイフューエルカー」から得たテスト結果をベースに開発が進められる。ただし、市販モデルに搭載されるエンジンは全く新しいものになるようで、製造コストの削減が前提となっているようだ。
BMWが環境対応車である水素燃料自動車の市販時期を明示した背景には、最大のライバルであるダイムラー・クライスラーが、開発中のメタノール改質方式燃料電池自動車の市販時期を2005年と定めたことにあるのは間違いないだろう。
水素燃料は環境保全には優れているが、その反面でインフラ確保の難しさや、燃料タンクの安全確保などの課題が山積している。今回の発表が実際の開発状況に則したものなのか、それとも単に燃料電池陣営に対向したパフォーマンスなのかは明らかでない。