【新聞ウォッチ】トヨタのF1チームに資金援助、松下電器急接近の真相
気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2001年7月2日付
●日米首脳会談でブッシュ米大統領「自動車などの市場開放」要求(読売・2面)
●フォーミュラ・ニッポン、本山哲が今季2勝目、道上龍は無念の2位(産経・24面)
●F1フランスGP、シューマッハー兄弟ワンツー飾る(産経・24面)
●ニッパツ、仏フォルシアと日産向けの自動車用シート事業で提携(日経・13面)
●独ダイムラー、船舶エンジン分野で日本市場に本格進出(日経・13面)
●フィアット、中国向け投資を加速、バス生産など3社と合弁(日経・17面)
●主要30業種業況見通しで、奥田碩トヨタ自動車会長「悲観的になる必要ない」とコメント(日経・27面)
ひとくちコメント
トヨタ自動車が2002年から参戦するF1レースで、そのレーシングチームのメーンスポンサーに松下電器産業が名乗り出た。1日付の日経朝刊で報じている。明日3日午後5時から都内のホテルでトヨタの張富士夫社長と松下の中村邦夫社長が共同会見し、正式に発表するという。
日本を代表する2大メーカーが手を結んでF1に挑むというだけでも話題性は大きい。トヨタと松下はこれまでもグループ間でカーナビ、ハイブリッド車用バッテリーなどの開発を積極的に取り組んできているが、今後もITS分野などでも関係を強化する狙いもある。
業種は違ってもホンダとソニーの社風がダブって見えるように、トヨタと松下も企業風土がよく似ている。だが、家電業界では若者中心に強いブランド力を誇るソニーに比べると、松下は見劣りする面も多く、社内の「改革」は待ったなし。一時トヨタも大企業病に見舞われたが、奥田社長時代に強烈なリーダーシップで意識改革を断行し、「強いトヨタ」に甦らせた経緯がある。
危機感を唱える中村社長が急接近するのもトヨタの手法を学ぶ意味も含まれており、F1チームへの資金援助は、その“授業料”のようなものだろう。