15日、静岡県下田市沖の海上で10人乗りの釣り船『正宝丸』が大型船舶と衝突、大破して1名が行方不明になっている事故で、海上保安庁の下田海上保安部は20日、正宝丸に衝突後、現場から逃走した船が大型の自動車運搬船であることを割り出し、事故時に当直だった2等航海士を業務上過失往来妨害の疑いで検挙したことを明らかにした。
釣り船と衝突したのは、名古屋市のフジトランスコーポレーションが所有する大型の自動車運搬船『ふじまりん』。事故当時は愛知県から宮城県の仙台港に向かって航行中だった。事故当時、当直担当でふじまりんを操船していた2等航海士は、前方から釣り船が接近していたのは認識していたが、必要な回避義務は行っていなかったとされる。
海上保安庁では、事故直後から該当する船を調べていたが、出入港記録などから同船が事故を起こしたのと同じ時間帯に現場付近を航行していることを確認。仙台港で検査した結果、船首部分から衝突した釣り船とよく似た塗料片も採取できたことから、該当の船と断定したという。