悪いのは踏切に進入したドライバーか、定時運行に固執した運転士か

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今年1月29日、広島県広島市西区を走るJR山陽本線と広島電鉄宮島線が共用している踏切で、踏切内に停車していた乗用車と、JRの電車が衝突する事故が起きた。この事故に関して、警笛を鳴らして乗用車を踏切内に進入することを促したとして、広島電鉄の運転士が過失往来危険容疑に問われていたが、広島地検は起訴猶予処分の決定を行ったことを明らかにした。

事故当時、乗用車は南側を通る広島電鉄側から踏切に進入したが、途中で遮断機が下りて踏切内に閉じ込められる形となった。この際、広島電鉄の電車を運転していた29歳の運転手が警笛を数回鳴らし、並走するJR線側への移動を促した。乗用車がわずかに前進したところ、通過してきた山陽本線の電車と接触。乗用車の運転手が死亡し、同乗の女性が重傷を負った。広島電鉄の線路と、JRの線路にの間にはクルマ1台分(約6m)の距離があったが、クルマは前に出すぎてしまったらしい。

事故当時から地元新聞などで「広島電鉄の運転士が警笛を鳴らさず、山陽本線の電車通過を待てば良かった。前から走ってきた山陽線の電車が広島電鉄運転士に見えなかったとは考えにくい」という内容の投書が掲載されたりしたために物議を呼び、広島県警も過失往来危険の疑いがあるとして、この運転士を書類送検していた。

しかし、広島地検は19日、「事故の主原因は警報を無視して踏切に入り、適切な危険回避措置を取らなかった乗用車にあった」として、この広島電鉄運転士を起訴猶予処分とする判断を下した。また、被疑者死亡のまま、業務上過失傷害容疑で送検されていたクルマのドライバーについても、不起訴処分が決まっている。

《石田真一》

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