「事態を混乱させたのは裁判所」、札幌地裁が異例の訴訟にピリオドを打つ

自動車 社会 社会

一般道での82km/hオーバーという大幅なスピード違反を犯した19歳の少年が、一度は家庭裁判所で有罪判決を受けたものの、検察の判断によって同じ容疑で裁判を受けることになっていた問題で、札幌地裁は家裁の判断を覆し、少年に10万円の罰金刑を言い渡した。

これは昨年5月、北海道在住の19歳少年が制限速度60km/hの一般道を142km/hで走り、82km/h超過のスピード違反で検挙されたことに関係する刑事裁判。話は非常に複雑なのだが、最初にこの問題を審議した家庭裁判所は「82km/hオーバーの速度超過は悪質」として懲役4カ月の刑を言い渡した。

ところが被告が少年であることから「懲役刑の場合には検察へ送致して、一般法廷で審理する」という少年法の原則が適用されることとなり、同じ罪で2度目の裁判を行うことになった。日本には「一度決着した訴訟を再度提起しない」という「一事不再理(同じ事件を二度裁かない)」の大原則があるが、今回の裁判ではこれが覆される形となり、議論を呼んでいた。

23日の判決で札幌地裁の小池勝雅裁判官は「スピード違反については被告に直接の責任がある。しかし、ここまで事態が混乱したことについては本人に責任を押し付けるのは酷である。むしろ長期間不安定な状態に置かれた心理的不安を斟酌する必要がある」と判断。刑事罰を科したことが事態の混乱を招いたことを認めた上で、家裁の判断した懲役刑を破棄。改めて10万円の罰金刑を言い渡した。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  4. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る