赤字の原因は異様に高い人件費!? 川崎市交通局へ会計監査

自動車 社会 社会
赤字の原因は異様に高い人件費!? 川崎市交通局へ会計監査
赤字の原因は異様に高い人件費!? 川崎市交通局へ会計監査 全 1 枚 拡大写真

川崎市は7日、外部の監査人による市交通局の監査内容を明らかにした。給与規定に準じない時間外手当が営業所ごとの独自決済でなされたり、退職前に不必要な昇進があるなど、不明朗な会計処理が行われているという実態を確認したという。川崎市は交通局の赤字削減を迫られており、こうした会計処理が問題となることは間違いなさそうだ。

川崎市交通局は、現在28のバス路線を運行しているが、このうち24路線までが赤字に陥っている。年間の赤字額は24億円で、1路線あたり1億円の赤字が出ているということになる。川崎市では財政難から赤字部門の削減を急務としているが、組織見直し策のひとつとして、外部機関による会見監査を行っていた。

この結果として明らかになったのは、時間外手当のずさんな支給の実態だった。超過勤務をした場合、運転手には手当てが支払われることになるが、この手当ての額は営業所個々の判断となっており、川崎市の給与規定よりも多い額が支払われていることがわかった。また、退職前には確固たる理由も無いまま二号給分の昇進があり、退職金もそれに応じたものが支払われていた。一般の昇給審査についても交通局内部で処理されており、市役所側では個々のケースを把握できないようになっていたとされる。

同時に、営業キロあたりの人件費が他の都市に比べ、異様に高いことも明らかにされた。市営バス運転手のキロあたり人件費は政令指定都市平均の11.7%高となっており、同様にキロあたりで算定した給与は448円と、川崎や横浜地区でバスを運行する他の事業者より50%も高かった。つまり、人件費の部分が高コストであるため、赤字の圧縮が困難になっているということなのだ。

監査を行った会計士は「慣例化による構造的な問題がある。担当者の間違いで済まされるレベルではない」とバッサリ。赤字が目立つ特定営業所の3路線については「民間に運行を委託すれば確実に効果が現れる」としている。

【iCOTY】始まる!! あなたがインターネットで投票するカーオブザイヤー:2002年2月22日からインターネットおよびiモードで消費者が投票するクルマの賞として「インターネット・カー・オブ・ザ・イヤー2001-2002」を開催している。あなたも自分でCOTY決定に参加できる! 2002年3月14日まで投票受付中。---

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  2. 「これは欲しくなる!」ランチア『イプシロン』のスポーツグレード登場に日本のファンも注目
  3. マセラティが新型車を世界初公開へ、「トライデント」ロゴ誕生100周年を祝う…グッドウッド2025
  4. 新型『キックス』ブラジル発売で浮き彫りになった「日産への期待と本音」
  5. 父親への贈り物に“16万針の刺繍”で飾ったロールスロイスを…世界に一台の『ファントム・ダンテル』公開
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る