橋=ボトルネックは常識だと思いましたが…。岩手県警の実験に市民反発

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警察庁は現在、全国100カ所で「歩車分離式信号」をテスト導入し、交通の流れに与える影響などを計測する実験を行っているが、岩手県盛岡市ではこの信号を導入した直後から大渋滞が頻発するようになっていることを岩手県警が明らかにした。

岩手県警では3月から盛岡市中心部に近い2カ所のY字型交差点で分離式の信号を導入した。ここで導入された制御パターンは、青信号で歩行者が交差点を横断する際、クルマの直進は認めるものの、歩行者対クルマの事故が発生しやすい右左折については赤信号を表示し、クルマの動きを完全にストップさせるものだ。

ところが、岩手県警が導入した場所は、北上川に掛かる「明治橋」という全長200メートル程度の橋の南北2カ所だった。この橋はこれまでにも渋滞が多く発生する地点だったが、分離式信号の導入以後、それがさらに顕著になった。歩行者横断中のクルマの流れをシャットアウトすることになったため、橋がボトルネックとなり渋滞が発生。さらに両端でその分離式信号を導入してしまったため、朝夕には橋の上で身動きが取れなくなるクルマで一層混雑するようになってしまった。

盛岡市の中心部は周辺部からは北上川で分けられており、市の中心部に移動するためには橋を使って川を渡る必要がある。橋はおよそ3kmの間に4つあるが、うち1つは幹線道路とリンクしておらず、南北間を結ぶ用途には使えない。問題となっている明治橋は官庁街にダイレクトアクセスできることから利用者が多く、そのために県警でも「適度に交通量が多くデータを取得しやすい」と判断したようだが、今回はこれが裏目に出た形だ。

盛岡市内でバスを運行する事業者からは、早くも地元警察に対して改善を要求する声が上がっており、県警では対応に苦慮しているという。ちなみに警察庁が定める歩車分離式信号の実験期間は6月中旬まで。まだくまだ混乱は続きそうである。

《石田真一》

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