【試乗+価格調査(シトロエンC5 2.0)】シトロエンの「伝統芸能」を味わいたいなら --- (試乗編)

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【試乗+価格調査(シトロエンC5 2.0)】シトロエンの「伝統芸能」を味わいたいなら --- (試乗編)
【試乗+価格調査(シトロエンC5 2.0)】シトロエンの「伝統芸能」を味わいたいなら --- (試乗編) 全 3 枚 拡大写真

F ルノーに乗ってる俺にはこのクルマを語る資格はないな。なんせシトロエンは前衛芸術だから。これはやっぱり、DSとXMに乗っているシトロエニストの陶山さんの出番でしょう。

KS 僕から言わせていただくと、それはどんぐりの背比べですよ(笑)。

S まずC5がどうこういう話をする前に、皆さんの誤解をひとつ解いておくべきだと思いますね。つまり、現代のシトロエンは前衛ではない、ということです。前衛的な技術で革新的なクルマを作るメーカーというより、ハイドロニューマチックという特殊な技術にこだわって、それを看板にしている特殊メーカーだということです。4WDにこだわるスバルとか、リアエンジンにこだわるポルシェみたいな。

KS つまりシトロエンというのは、いってみれば伝統芸能をやっていると。

S そう。じっさいDS以降のクルマは、DSのメカニズムをその時代時代に合わせてアップデートさせているだけで、とくに革新的なことをしてないでしょ。だからシトロエンを買う意味というのは、すなわちハイドロニューマチックを味わいたい、ということに尽きるわけ。

F 結論になった(笑)。

KS 試乗してみると、C5のハイドラクティブ3サスペンションは、80km/h以上出すとさすがにいいなあと思いましたね。低速ではけっこうハーシュネスがきついけど、高速だと「これなら何時間でも走っていられる」という気になりますからね。ダンピングはガチガチだけど、バネはゆるいという特殊な乗り心地です。

F でも「乗り味が好きならシトロエンの金属バネのクルマを買えばいい」ってよく言われるよね。金属バネでもハイドロと同じ乗り心地とか、金属バネのほうが故障が少ないとか、ハイドロはフランス人独特の傲慢な進歩的合理主義の産物とかも……。

S まあ、だからハイドロは好きな人にしか勧めない。

F あとC5は、デザインをがんばったと思う。とくにインテリア。2つの円弧というモチーフにちゃんと思想がありそう。まあ普通の人が見てもわからないけど(笑)。アウディの普通なインテリアとは違うね。それにシトロエンは伝統的にプロポーションも独特だし。

KS 僕もエグザンティアはカッコいいと思ったけど。

F いっぽうエンジンはガサガサする。300万円のクルマとしてはちょっと。

S 3リッターのV6のほうはそれなりにフィールも悪くないけれど、あえて特筆すべきほどのものでもない。それに値段が100万円近く違うから、買うなら2リットル4気筒でいいでしょう。

F  だからC5でいいのは、ハイドロとパッケージだけだと。

KS ブレーキのタッチもいいですよ。ストロークが短くて、すぐに制動力が立ち上がる。だから、300万でハイドロの乗り心地と、いいブレーキと居心地のいいシートを買いたいのならお勧めですね。

座談会メンバー
S:陶山拓(まとめ)
KS:佐藤耕一(auto-ASCII)
F:藤田耕治(auto-ASCII)

取材協力:JAIA輸入車試乗会

《》

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