事故捜査プロの警官も、百戦錬磨の損保スタッフも見抜けなかった偽装事故

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大阪府警は1日、故意に自動車事故を起こし、休業補償金として33万円を騙し取ったとして、36歳の無職男性を詐欺の疑いで逮捕したことを明らかにした。この男は1999年頃から同様の事故を何度も繰り返しており、警察ではその大半が虚偽申告だったとみて、余罪を追及している。

警察によると、今回の逮捕理由となった事故は昨年10月4日に発生した。大阪府摂津市の近畿自動車道摂津南インターチェンジ出口付近で、容疑者本人が運転するクルマを他車に故意に接触させ、ケガしたことを装った。事故から2カ月後「親の経営する飲食店を手伝っていたが、むち打ち症で仕事ができなくなった」と相手側に伝え、休業補償金として33万円を騙し取った疑いがもたれている。

保険会社などで調査した結果、父親が所有しているという店は営業していたという痕跡が無かったことから、今回の事件が発覚した。警察が捜査したところ、この男は1999年ごろから30回以上も「事故に巻き込まれた」ことになっており、このうちわかっているだけで10数件で事故証明もしっかりと取得。

相手側には「父の経営する飲食店」、「母の経営する美容室」、「友人の経営する会社」など、様々な名目の休業証明を用意。ほとんど全てのケースで何らかの形の補償を受けていた。事故のパターンについても、接触、追突、人身と様々なケースを使い分けており、警察の事故捜査はもちろん、保険会社の損害調査スタッフも見事に騙しきっていたらしい。逮捕までの被害総額は1000万円を軽く超えるのではないかとみられている。

取調べの際、この男は「6年前の事故で120万円の賠償を受けたが、あまりに簡単に現金がもらえるのでそれ以来クセになり、やめられなくなった」と供述しているそうだ。

《石田真一》

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