なわばり意識が捜査を妨害---兵庫県警本部長が“タブー”を認める?

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兵庫県警は4日、県警本部で全署の署長を集めた警察署長会議を開催したことを明らかにした。会議の冒頭で県警の岡田薫本部長は、先に起きた大学院生殺害事件に関して「初動捜査は警察の命で特段の配慮が必要だ」という内容の訓示を行ったという。

この会議は管内全域の警察署長を集めて定期的に行われている。今回は神戸で暴力団関係者による大学院生殺害事件が発生したため、本部長の訓示に多くの時間が取られることとなった。訓示で本部長は、3月27日の兵庫県議会で報告した「警察による不手際」を改めて説明するとともに、集まる警察署長に対して「初動捜査は警察の命。いささかの間隙も生じさせないよう、特段の配慮が必要である」と述べた。

さらに「市民の信頼回復を早急に得るためには、今回の事件の原点とも言える暴力団による犯罪の撲滅が必須である」として、今後は暴力団関係者による一般市民拉致事件は「起こる可能性が高い事案」と認識し、トラブルが生じた際にはこれまで以上の周辺捜索を欠かさないようにするなどの対策を指示した。

また、本部長は「所轄署と本部機動捜査班のコミュニケーション円滑化作業を早急に行うこと」なども命令している。大学院生の事件では、神戸西署員が県警本部の機動捜査隊や暴力団担当部署に情報を上げなかったということが早い段階で指摘されており、警察内部に存在する“なわばり意識”が事件を拡大させる要因になったと考えられている。

岡田本部長はこれまでタブーとされてきた部分について、それが存在することを示唆したわけで、ある意味では画期的だったといえる。事件は現場(所轄)で起きているのかもしれないが、情報を上(本部)にあげる必要がないわけではないのだ。

《石田真一》

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