国内カーナビ市場におけるポータブルナビの占有率は、安定して20%程度を維持している。パナソニック松下通信工業のグローバル商品企画室でナビゲーションを担当する武田潔主事は、「クルマを複数台所有する家庭や、低価格な入門機としての需要など、根強い支持を得ている」と分析する。
ポータブルならではのメリットは、もちろんそれだけではない。「お客様からのアンケートを分析すると、ほとんどの方は自分で(車体に)取り付けをされています。つまり、ショップで買ったものを持ち帰って、すぐお使いいただける。それほど取り付けが簡単ということです」。カーナビの一般的な取り付け工賃は約3万円だが、ポータブルならそれも不要、と言えるのだ。
しかしながらデメリットもある。「ジャイロセンサーや車速センサーを持たず(注:そのために取り付けが簡単なのだが)、D-GPSだけで測位しているので、頭上に高速道路があったり、高層ビルが林立するような状況、東京で言うと、山の手線の内側などではではやはり苦しいですね。逆に環八あたりまで出ればほとんど問題ありません」とのことだ。
それが不満な向きには、ジャイロセンサーや車速センサー、VICSビーコン受信機がパッケージされたオプションも3万9800円で用意されているが、これには取り付け工賃が掛かり、価格的なメリットが失われるため、むしろワンランク上の「e-navi」シリーズなどの据え置き型も検討すべきだろう。