市民の信頼感を損なう行為---違反もみ消しの元署長を起訴

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青森区検察庁は10日、元上司である77歳男性が起こした交通違反もみ消しを行ったとして、青森県警金木署の前署長を犯人隠避の罪で起訴したことを明らかにした。もみ消しを依頼した男性も犯人隠避教唆と道路交通法違反(速度超過)の罪で略式起訴されている。

調べによると、77歳の男性は1999年7月、自分のクルマを運転中、制限を34km/hオーバーした74km/hで走っているところをパトロール中の白バイ隊員に発見され、赤キップを切られていた。ところがこの男性、実は署長職も務めたことがある元警察官で、摘発の翌日には元の部下である県警交通機動隊長(後の金木署長)を訪れ、「白バイに捕まって困っている。何とかならないか」と頼みこんだという。

元上司の依頼なので断ることができなかった隊長は、この案件を立件保留扱いとし、書類を自分の机の中に隠蔽していた。

ところが昨年、県警交通指導課が行った監査で、この違反が確固たる理由の無いまま立件保留となっていることを発見。違反のもみ消しが明らかになった。県警の監察課が捜査を行ったが、懲戒処分が確定する以前に署長は依願退職しているため、内部での処分は事実上行われなかった。

検察では「違反もみ消しは市民の信頼感を損なう重大な行為」として、今回起訴することを決めたとしている。

《石田真一》

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