ミニバンということもあり、運転席より後ろの居住性が強調されがちな新型『エルグランド』だが、実際には「運転していても相当に楽しいクルマに仕上げた」という。先代との違いは「30m運転しただけでわかる」としており、関係者の自信がうかがえる。
エンジンは3.5リットルV6DHOCの「VQ35DE」を搭載しているが、こちらのパワーは充分なもの。エルグランドへの搭載に合わせ、給排気系の完全見直しを行っている。
運転性能を向上させる目的で取り組んだのがサスペンションの改良で、硬くもなく柔らかすぎない微妙なバランスを実現したという。ここで主眼を置いたのが“防振対策”で、駆動系やバネの減衰から発生する余計な振動をカットしたことで安定性を増している。
「この手のクルマはどうしても2列目以降に目が行きがちですが、ドライバーを包み込むように配置したスイッチ類などを見ていただければ、運転していても楽しいクルマであることはすぐにわかっていただけるはず。私どもとしてはミニバンを嫌っていた人にも一度味わってもらいたいと願っている。それが30m運転しただけで良さがわかる、とした最大の理由です」とは日産車体・デザイン部主担の福士恵児さん。この発言からも今回のエルグランドがいかに優れたものかがわかる。