20日に発表された『ヴォルツ』は、数あるトヨタのラインナップの中では、キャラクターの似た車種もありそうだが、「いやこれに相当するものは無いのではないでしょうか。『カローラ・フィールダー』や『アルテッツァ・ジータ』はよりワゴン的。『カルディナ』はサイズも違う」とエクステリアデザインを担当したトヨタ自動車第2開発センター、第2デザイン部の宮崎満則担当員。
『イプサム』や『RAV4』などもヴォルツと一部共通の性格をもつが、明らかに異なるクルマだ。吉田健チーフエンジニアは「『カリブ』に代わるクルマという意識もありました」と語るが、「しかしカリブはカリブなりの使命があり、それを果たしました。ヴォルツは後継ではありません」と続ける。たしかにアクティブライフ向けのコンパクトカーという点では似ているが、パッケージングなどは違うものだ。
では気になるライバルはどうだろうか。「直接ライバルに当たるものもないと思います。強いて言えば三菱『エアトレック』でしょうか。ライバルに対するヴォルツの強みはずばり、スタイリングですね」と宮崎デザイナーは語る。
ほかに他社のクルマで性格が近いものは、ホンダ『CR-V』、日産『エクストレイル』、スバル『フォレスター』。いずれもエンジン排気量2.0クラスで、1.8のヴォルツより車格は上だ。あるいはスバル『インプレッサ・ワゴン』、ファミリア『Sワゴン』、日産『ウイングロード』などがユーザーを競合するかもしれないが、車型は従来型のコンパクトワゴンだ。やはりヴォルツは「新ジャンル」と呼んでいいようだ。