埼玉県警は23日、運送会社の駐車場などから商品を積んだままの大型トラックを盗み出していたとして、別の事件で逮捕されて現在公判中の27歳の男ら6人を窃盗容疑で逮捕するとともに、荷台の商品を盗んだ物だと知りつつ購入していた65歳の男を盗品等有償譲り受け容疑で逮捕したことを明らかにした。約半年の間に群馬、茨城、埼玉の3県で7件10台の大型トラックを盗み出し、積荷3500万円を合わせた被害総額は1億2000万円を超えるとみられている。
埼玉県警の調べによると、この男ら6人は今年3月29日未明、群馬県尾島町の運送会社敷地内に忍び込み、コーヒー用粉末クリーム約1000箱(800万円相当)を積載した状態で駐車していた大型トラック2台(合計2000箱)を盗み出し、埼玉県川口市内の業者に対して市価の1割程度で売却していた。
さらに今年6月16日、群馬県玉村町の日本通運高崎支店高崎東流通課の駐車場に止めてあった大型トラック2台を同様に盗み出し、このトラックに積載されていたスポーツドリンク1500ケース(合計1350万円相当)を同じ業者にやはり市価の1割程度で売却している。
グループの目的は売却の難しいトラック本体ではなく、あくまでも積荷であり、用済みとなったトラックは幹線道に路上駐車を装って放棄し、仲間の運転する別のクルマで逃走するなどして犯行を重ねていたようだ。
運送会社の駐車場に置かれたトラックを狙った理由について、犯人グループの1人は「荷物が満載されており、構内での入れ替えがあることからキーが付けっ放しになっている。出入り業者も多く、部外者が歩いていても誰も不審に思わない。荷台に搭載された荷物が何なのかを確かめてから盗み出す余裕もあった」と供述しているという。