熊本県警は11日、同日未明に熊本市内の国道57号線(東バイパス)で暴走族の一斉取り締まりを行なったことを明らかにした。鉄パイプや木刀などを振り回しながらバイクで暴走していた9人を凶器準備集合容疑で現行犯逮捕するとともに、走行抑止用の網に引っかかって走行できなくなったバイク28台を押収している。
熊本県警によると、この日の暴走は事故で亡くなったメンバーを偲ぶ目的でここ数年、11月10日深夜から11日未明に行われているもの。「今年も実施される」との情報を基にして、県警では熊本東警察署を前線本部に100人体制で取り締まりに当たることとなった。
期待族から取り締まり状況の漏洩を防ぐため、事前に「走る」とされていたコース沿道にいたギャラリー約450人を排除。国道57号線の350m区間を完全封鎖して、走行抑止用のネットを設置。パトカーで追い込むようにして誘導した暴走族のバイクを文字通り“一網打尽”にする計画を立てた。
10日の午後11時ごろから散発的に暴走が始まり、日付が変わった0時すぎからは参加台数が徐々に増えていったとみられる。取り締まり直前の午前1時の段階で参加台数が50台を突破。交通の混乱が確実になり、市民からの110番通報が相次いだ段階で待機していたパトカーが連携し、暴走族のバイクを網へと誘導していった。
途中で10台あまりが分岐したものの、40台あまりのバイクが取り締まり現場に設定された熊本市西原3丁目に誘導。抑止ネットで逃げ場を失ったバイクが次々にキャッチされた。バイクに乗っていた暴走族メンバーは走って逃走するなどしたが、このうち9人を凶器準備集合で現行犯逮捕。網でコントロールを失い、転倒した際に負傷した3人はケガの回復を待って共同危険行為などの容疑で逮捕する方針。現場から逃走したメンバーについてもビデオで撮影を行っており、同容疑で後日順次逮捕していくという。
押収したバイクは28台となり、熊本県警が1回の取り締まりで押収した量としては過去最高を記録した。これらは原則没収となり、メンバーに返還されることはない。