面倒見の封じ込めは暴走族撲滅につながる? 広島県が追放条例を改正へ

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広島県警は4日、県議会の警察商工労働委員会の席上、県が今月6日に12月定例議会に提案する「広島県暴走族追放促進条例」の一部改正案を明らかにした。暴力団と暴走族の間を取り持ち、暴走などを指示する暴走族OB(いわゆる“面倒見”)を排除することを目的としたもので、会費の徴収や加入強要などが確認された場合には、懲役や罰金を科す内容となっている。

今回提出される改正案では、暴走族の現役メンバーが「面倒見」と呼ぶ暴走族OBを処罰対象とする内容が新たに追加されている。面倒見は暴力団との癒着が指摘されており、暴走族同士のトラブルが起きた場合は暴力団員が仲裁に入って強権発動的にトラブルを収める代わり、月々の活動費などを徴収しているなどの行為が警察によって確認されている。また、暴走族が市街地で行う暴走や集会などの示威活動も、事実上は面倒見がコントロールしているという指摘もある。

先月23日深夜、広島市中心部の公園で「引退記念」を名目に、広島市中心部を拠点に活動する暴走族が開いた集会では面倒見の男が開催をコントロールしていた。市職員の中止命令にも面倒見の男が抵抗したが、この男は広島市の暴走族追放条例の適用第一号となり、逮捕されている。

改正案ではこのような実例を考慮した上で、「少年少女に暴走族の結成や加入を強要し、またはその離脱を妨害した場合」、「様々な名目で少年少女から資金を集めた場合」、「パーティ券などを少年少女を使って販売させた場合」などを禁止行為として定め、これに違反していることが確認された場合には県条例を適用し、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金を科す、としている。

順調にいけば来年4月から施行されることになるが、「暴走族のリーダーよりも面倒見の立場の方が上で、その命令は絶対」ということが徹底されている広島の暴走族に打撃を与えることだけは間違いない。

《石田真一》

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