神奈川県警は5日、職務中にクルマのナンバー照会を行い、そこで得た使用者などのデータを調査会社に漏洩していた鶴見署警務課に所属する55歳の巡査部長を地方公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕したことを明らかにした。この巡査部長からデータを購入していた調査会社の社員2人も有印私文書偽造容疑で同日までに逮捕されている。
神奈川県警・監察官室の調べによると、この巡査部長は今年1月から2月の間、知り合いの調査会社社員から依頼を受け、「駐車違反の取り締まりのため」という架空の目的で軽自動車のナンバー照会を行い、使用者などのデータを売り渡していた疑いが持たれている。
普通乗用車のナンバー照会は陸運局で比較的容易に調べられるが、軽自動車のナンバー照会に関しては陸運局の管轄でなく、軽自動車検査協会が行っている。ナンバー照会を行う場合、警察官が正当な理由を持ち、公文書として開示を命令した場合にのみ行われる。このため、調査会社は警察OBなどを通して現役の警察官を確保。金銭の授受を持ちかけて不正にデータを取得していたものとみられている。
警察が把握しているのは9件の照会で、「駐車違反の取り締まりのため」と申告しながら、その後に取り締まりが行なわれていた形跡が無いことから発覚したらしい。1件あたりのデータ売り渡し金額は数千円とみられ、逮捕された巡査部長も容疑を認めているようだ。