日産自動車は10日、クルマに搭載する遠赤外線センサーを開発したと発表した。暗闇における歩行者の保護、乗員の状況を検知してシートベルト、エアバッグを制御したり、乗員の体温を感知してエアコンを制御、最適化するなど、自動車の安全性向上に大きく貢献する可能性がある。
従来のセンサーは暗闇で対象物である人体や動物から発する熱をイメージ的に感知・検出できるデバイスとして期待されていた。しかし、高価なために実用化できなかった。今回、日産が開発したのは遠赤外線イメージセンサーは、同社のマイクロマシニング技術や先進安全研究車で培った車載用赤外線技術などを活用、高性能と低価格の両立を実現した。
同社では、遠赤外線イメージセンサーを使って、夜間歩行者の検知してナイトビジョン(夜間視界補助システム)としての活用や、死角にいる人の放射赤外線の検知・警告や乗員の有無、サイズ、姿勢を検知してエアバッグやシートベルトの最適制御で実用化を検討していく。