北海道警・監察官室は10日、覆面パトカーを運転中に他のクルマと接触する事故を起こし、同乗者にケガを負わせたにも関わらず、事故発生の報告を怠っていた千歳署の48歳巡査部長(刑事一課所属)に対し、停職3カ月の懲戒処分を命じたことを明らかにした。また、同日付で道路交通法違反(事故不申告)と業務上過失致傷容疑で書類送検している。巡査部長は懲戒処分を受ける直前に依願退職している。
調べによると、この巡査部長は今年8月24日の午後6時ごろ、覆面パトカーで苫小牧市内の道道交差点を右折しようとした際、直進してきたクルマと接触事故を起こした。この事故によって双方のクルマのバンパーが破損したが、巡査部長は現場から逃走。千歳署に帰着後、上司に対して「単独の物損事故を起こしてしまった」と報告した。
当時、この覆面パトカーには苫小牧市に住む男性が同乗していたが、この男性が「パトカーが起こした他車との接触事故で負傷した」と警察に対して届け出を行った。この届け出によって虚偽申告が発覚することを悟った巡査部長は「旅行に行く」という名目で5日間の休暇を取り、上司に行き先を報告しないまま姿を消していた。
監察官室では一連の行為を「悪質な隠蔽」と断定。巡査部長への聴取を続けてきたが、事故発生の申告を行わずに逃走した事実や、虚偽報告などへの関与を認めたため、10日付けで停職3カ月の懲戒処分を言い渡すとともに、衝突事故に関しても道交法違反や業務上過失致傷容疑で書類送検を行った。巡査部長は処分命令を受ける直前に依願退職している。
北海道警では今年に入って17人に対して懲戒処分が命じられており、このうち4人は免職となっている。