交通トラブルで相手を殺してしまった被告、過剰防衛は通じるか

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住宅地にある道路でクルマ同士のすれ違いを巡って口論となり、相手を傘で刺し殺したとして、傷害致死罪に問われている34歳の男に対する論告求刑公判が広島地裁で5日に開かれた。検察側は「反省の態度が見られない」として懲役7年を求刑している。

この事件は昨年5月16日の午前7時ごろに起きた。広島県廿日市市上平良の路上で、近くに住む55歳の男性と、現場を通りかかった20〜30歳代とみられる男がクルマのすれ違いを巡って口論となった。55歳の男性は現場近くに住む母親を迎えるため、道路にクルマを止めていたが、若い男は「そこに置くとクルマが通れないだろう」と言いがかりをつけた。

男性が無視していると若い男はクルマから降りて殴りかかり、さらには男性が持っていた傘を奪い、突き刺すなどしたという。男性は頬に受けた傷が脳まで達し、これが原因となって死亡している。男は事件後、現場から逃走していたが、事件から5日後に静岡県内で逮捕されている。

公判中、被告は「傘を振り回して殴りかかってきたのは被害者本人。こちらがそれを止めさせようとした際に傘が顔にぶつかった」と一貫して主張。傷害致死ではなく、過剰防衛だとしてきた。

これに対して検察側は「致命傷となった傷はかなりの力で突き刺さないとできないことからみても、被告には明確な加害意識があったことは明らか」と反論。被告が過去にも同様の事件を起こしていることや、被害者と被告では明らかな体力差があることから、「被告の主張は信用できない」とした。

その上で「事件は冷酷で残忍。事実を無視して保身の言い訳を繰り返すなど、被告には反省している態度がみられない」として、懲役7年を求刑した。

《石田真一》

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