滋賀県警は6日、草津市内の県道で玉突き事故を起こしたものの、そのまま現場から逃走していた26歳の男を業務上過失致傷と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕したことを明らかにした。逮捕の決め手は“ナンバープレート”だった。
滋賀県警・草津署の調べによると、事故が起きたのは1日の午後7時15分ごろだという。草津市内の県道で渋滞のために止まっていたクルマの列に後方から走っていた乗用車が追突。ほとんど速度を落としていない状態でぶつかったため、前方のクルマ2台も玉突き状態で巻き込まれた。追突してきた乗用車はそのまま現場から走り去った。
被害者の通報を受けて駆けつけた警察官が被害車両の検証を行ったところ、最後部のクルマの樹脂製バンパーに容疑車両のナンバーが刻印されたような状態で残されていることがわかった。衝突速度が速かったために生じたもので、1000の位が「8」、1の位も「8」であることが判明。後の調査で10の位が「3」ということもわかった。
これらの物証と、目撃証言で得た車種などから、草津市内に住む26歳の男が所有しているクルマのナンバーが「80-38」であることがわかり、目撃された車種とも一致した。このため警察に呼び出して調べを進めたところ、現場から逃走していたことを認めたために業務上過失致傷と道交法違反容疑で逮捕した。
逃走したクルマのナンバーを目撃者が覚えているということはよくあるが、逃走車両のナンバーが被害車両に刻印されたという例は過去になく、警察でも「ある意味では奇跡的だ」と驚いている。