5日、東京都江戸川区のデザイン専門学校TCA(東京コミュニケーションアート)において、日産自動車の中村史郎デザイン本部長兼常務取締役が特別講義を行なった。講義は事前に学生が提出した質問に中村本部長が答える形で進行した。
学生:中村さんはどんな学生だったのですか。
中村:1970年に武蔵野美術大学に入ったのですが、いい学生ではありませんでした(笑)。当時、日本の工業デザイン課程だとクルマはできなかったんです。アカデミックな色が濃くて、スタイリングは悪だという風潮があったんですね。授業にはテストの3-4日前に顔を出すだけで、あとは部活のジャズに精を出していました。
卒業制作のテーマは「トラック」にして、これだけはきちっとやりましたよ。おかげで卒業できましたし、就職もできました。それにクルマの絵はちゃんと描けました。自分のやりたい目標に向けて、ちゃんとやることが大切。やりたいことをやっててダメだと言い訳ができないでしょう。