定期昇給の見直しも焦点となっている今春闘だが、経営再建中の三菱自動車工業は13日、今年4月から約1万4900人の全組合員(一般社員)を対象に定昇を廃止する方針を明らかにした。労使が大筋で合意しており、今春闘で詳細を詰める。定昇全廃は自動車業界では初めてで、産業界でも異例の措置となる。
同社によると、事務、技能など職種を問わずに実施、来年度入社の新入社員にも適用する。年齢や資格級に応じて毎年実施される定昇を廃止する一方、成果主義に基づいた「役割貢献給」などを導入する方向で検討する。三菱自動車では12日、今春闘の定昇相当分として組合側が5600円を要求しており、これを原資に新しい給与体系に移行する見通しだ。
自動車業界ではホンダや日産自動車が組合員のうち、一定の社歴を経た主任や係長級の定昇を廃止しているが、入社時点から成果主義を導入するのは初めてとなる。