トヨタ自動車は、2003年春闘で、組合側の要求を成果配分を含めて満額回答することが明らかになった(既報)。
トヨタの組合は一時金基準賃金5カ月プラス55万円の過去最高のボーナスと、ベアを要求しない代わりに、労働の質向上による成果配分として年間6万円を要求した。日本経団連会長でもある奥田碩会長がベア不要論を声高に訴えており、昨年はベアゼロで妥結した。ただ、過去最高の収益を更新するのは確実なため、成果配分としてベアとは別枠で要求した。
経営側は労働の質向上による収益拡大は、ボーナスで応えるとして成果配分の支給に難色を示していた。しかし、組合側が成果配分は今回限りとの見方を示し、さらに日産自動車がベア含む満額回答したことで「このままでは従業員のモチベーションに影響する」と判断、成果配分も過去最高の一時金も満額で回答する方針を固めた。