茨城県警は17日、部下のトラック運転手に対して過密なスケジュールでの勤務を指示していたとして、運送会社を経営する37歳の男を道路交通法違反(過労運転下命)容疑で16日までに逮捕していたことを明らかにした。
茨城県警・交通指導課、同・石岡署の調べによると、この男が経営する会社に勤務する30歳のトラック運転手が3月31日、美野里町堅倉の国道6号線を走行中、停車していた乗用車に追突。このクルマに乗っていた1人を死亡させた。事故を起こして業務上過失致死容疑で逮捕された運転手は、警察の取り調べに対して「会社の指示で3月27日から連続勤務をしていた。睡眠時間は最小限で、家に戻っても風呂に入るだけだった」と供述。事故当時は過労による居眠り状態で、衝突するまで事故に気づいていないこともわかった。
警察では過重労働が会社の指示にあたるかどうか調べてきたが、会社を経営する37歳の男が常に携帯電話で次の配送先などを運行予定を指示しており、ドライバー自身の健康状態把握を怠っていたことがわかった。また、会社が組むスケジュールも過重労働を容認するかのような設定となっており、一定の責任が及ぶと判断。経営者の男を道交法違反(過労運転下命)容疑で逮捕した。
警察の取り調べに対し、男は「過労にならざるをえないスケジュールはあったかもしれない」と容疑を認めるような供述をしているという。