バイク転倒で死亡した少年は事故にあっていない!? 実は巧妙な偽装事件だった

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栃木県警は7日、これまで交通事故による死亡として扱ってきた16歳の少年が実際には交通事故ではなく、暴走族グループからリンチを受けた末に放置されたことが原因で死亡した可能性が濃くなったことを明らかにした。犯行に関与した可能性が高いグループの少年メンバー5人について傷害致死容疑で逮捕状を請求し、6日までに1人を同容疑で逮捕している。

栃木県警・佐野署の調べによると、問題の死亡事故は今年4月6日未明に発生している。同日午前1時ごろ、警察に対して「仲間がバイクで事故を起こしたらしい。死んでいるかもしれない」という内容の110番通報が寄せられた。佐野署員が現場とされる佐野市堀米町の公園に隣接した道路に急行すると、1台のバイクが路上に転倒しており、近くで16歳の少年が頭から血を流した状態で倒れているのを発見した。少年はすぐに病院へ収容されたが、脳挫傷などが原因ですでに死亡していたことが確認された。

少年の友人は警察の事情聴取に対して「一緒にバイクで走っていたが、途中で姿を消したために探していた。発見したときにはすでに事故を起こしていた」などと供述。死亡した少年にも頭部の傷以外に目立った外傷がないことから、警察ではバイク運転中に単独事故を起こして死亡したと結論づけた。

ところが事故から1週間ほど後、佐野署に対して「少年は暴走族グループとトラブルとなり、暴行を受けて死んだ」という密告電話が寄せられた。このため、警察では事故当時に聴取した友人を改めて警察署に呼んで話を聞いたところ、この少年が「暴走族グループに脅されていたので何も話せなかった」と供述を開始した。死亡した少年は現場に隣接した公園で暴走族メンバー数人とトラブルになり、頭などを殴られる暴行を受けた。時間は数分だったとみられるが、少年が意識を失ったため、危害を加えた暴走族メンバーが居合わせたこの少年に対して「道路に倒して事故に見せかけろ、警察に言ったらお前らも同じ目に合わせる」などと脅し、そのまま逃走したという。

警察が少年に暴行を行ったとされる暴走族グループの周辺人物などの内偵捜査を行ったところ、数人が当日の様子を話していることがわかり、暴行に関与した疑いは高まったとして傷害致死容疑で逮捕状を請求。6日までに1人を同容疑で逮捕した。

警察では「非常に悪質な事件。全員に早期逮捕を目指したい」としている。

《石田真一》

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