運転手同士のコミュニケーションは不要---東京バス協会が廃止要請

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東京バス協会は9日、バス同士がすれ違う際、運転手が片手を挙げて合図することを全面禁止することを決めた。同協会に加盟する91社に対して通達を行い、今月中には完全廃止を目指すとしている。

バス同士がすれ違う際、運転手が片手を挙げて合図するという行為は、戦後から始まった慣習だという。「この先お気をつけて」という意味があり、当初は同じ会社に所属する運転手のみを対象としていたが、数社のバスが同じ道路に乗り入れる東京では、会社を問わず、すれ違った際には必ず合図するといった状態になっている。

ところがこの合図が事故要因となり、一気に廃止論が持ち上がった。事故は2月3日、板橋区富士見町で発生している。火災のために迂回した運転手が、対向していたバス運転手に通行止めを知らせようと停車。その後、相手の顔を見ながら右手で合図し、バスを発進させた直後、前方をすり抜けるように横断していたお年寄りの女性をはねてしまった。女性は頭を強く打ち死亡している。

同協会では「交通規制を教えたことは良かったが、その後の合図が無ければ運転手が前方を注視できていたのではないか」と判断。また、乗客から「走行中に一時的ではあれ、運転手の視線が前方から外れることに恐怖を感じる」といったクレームが相次いでいたことから今回の禁止措置を決めたという。

《石田真一》

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